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うさぎが出てくる昔話ってどんなものがあるの?

 

昔話といえばたぬきやキツネのイメージが強いかもしれませんが、

「いなばの白兎」や「かちかち山」など、

うさぎが出てくるものも意外とたくさんあるって知ってましたか?

 

うさぎ好きな小さい子に「うさぎが出てくる昔話を聞かせて!」

なんてせがまれた時にサラリと話してあげられるように、

今回は日本に伝わる「うさぎが出てくる昔話」について

一緒に見ていきましょう!


 

あるところにおじいさんとおばあさんがおりました。

二人の家の裏にある山には、とても悪いたぬきが住んでおり、

おじいさんをからかったり、畑を荒らしたりとやりたい放題。

せっかくおじいさんが悪いたぬきを捕まえても、

悪いたぬきは悪知恵を働かせてすぐに逃げてしまいます。

困ったおじいさんは、賢いウサギに助けを求めました。

 

悪いたぬきを芝刈りに誘うウサギ。

芝を背負ったたぬきのうしろで、こっそり火打ち石をぶつけます。

「おやうさぎさん、このかちかち言う音はなんだい?」

「これはね、このかちかち山に住むかちかち鳥の鳴き声さ!」

……と言っている間に、芝がぼうぼう燃えはじめ、

たぬきは背中におおやけどを負いました。

悪いことをすると、かならずその報いがあるのです。

 

 

うさぎが出てくる昔話と聞いて、真っ先に思いついた方も多いのでは?

バリエーションが非常に多い昔話としても有名で、

主にたぬきの悪事とうさぎのお仕置きの数がさまざま存在します。

あなたの地元で伝わっている「かちかち山」は、どんな「かちかち山」でしたか?

 

◆うさぎとカメ

ある日のこと、足の遅いカメのことをウサギがからかってこう言いました。

「かけっこをしたら、ぜったいにボクが勝つよ!」

しかしカメはにっこり笑って、

「いいえ、あなたの足がどんなに早くてもわたしが勝ちますよ」と言うのです。

そういうわけで、二匹はかけっこをすることになりました。

スタートすると、うさぎがバッと前へ飛び出して、

カメを置き去りにどんどん進んでいきます。

ゴールの近くまでやってきたうさぎは、

「これだけ差があるんだ。ちょっとぐらい休んでも勝てるだろう」と

居眠りをはじめてしまい……

……目覚めたときには、とっくにカメがゴールした後でした。

才能があるけれどもサボってしまいがちな人より、

真面目にコツコツと頑張る人のほうが、結果は早く出るのです。

 

こちらも思いつく人が多いかもしれません。

「もしもしかめよ、かめさんよ」というフレーズが印象的な童謡にもなっていますね。

ちなみに、この物語には実はつづきが存在するってご存知でしたか?

 

それは新潟県に伝わる民話の一つで、

「カメに負けたうさぎはうさぎ村から追放されてしまうが、

機転をきかせてうさぎ村のピンチを救い、

無事にうさぎ村へ戻って幸せに暮らし続けました」という内容のもの。

 

一度失敗を経験しても、そこから学びを得ることができれば、

成功につなげることができる……という前向きなお話になっています!

 

◆いなばの白兎

 ある海沿いの島に、ちいさなうさぎが一匹暮らしていました。

向こう岸に広がる町が気になって気になって仕方ないうさぎは、

ある日サメを呼びつけると、

「サメさん、私の仲間とあなたがたの仲間のどちらが多いか数え比べしましょう」

と誘いました。

「あなたがたは、海に一列に並んでください。

私はそのうえを飛び跳ねながら数をかぞえます。」

言われる通りに並んだサメたちの背中をぴょんぴょんと飛んで渡るうさぎ。

しかしうさぎは、最初から数を比べるつもりなんてなかったのです。

やがて向こう岸が見えた頃、うさぎはとうとう、

「あはは!だまされたな!こっちに渡る足場にしたかっただけだよ!」と

高らかに言ってしまいました。

怒ったサメたちはうさぎに噛みつき、うさぎの皮をぜんぶ剥いでしまいます。

「えーん、痛いよ!」とうさぎが泣いていると、たまたま通りがかった神様たちが、

「海の水につけるとすぐに治るよ」とうさぎに教えてくれました。

ところが、海の水に肌をつけると、塩がしみてもっと痛くなってしまいました。

そこへまた違う神様が通りがかって、真っ赤な肌のうさぎを哀れに思いながら、

「池に入り、その塩水を洗い流しなさい。それからガマの穂を解し、

その上で転がるとよいですよ」と教えました。

うさぎが言われたとおりにするとすぐに痛みがおさまり、

元通りのふわふわの毛が生えてきたのでした。

この優しい神様は、のちに人々からとても尊敬される神様となったそうです。

 

他2つのお話と比べるとちょっとマイナーですが、

「悪いことをするとお仕置きがある」というしっかりした教訓が込められたお話です。

なんとあの古事記にも載っている、由緒正しい物語なんですよ。

 

舞台は隠岐の島であることが多く、鳥取県に存在する「白兎神社」では、

まさにこの物語に出てきたうさぎが神様として祀られています。

物語にちなんで、皮膚病や動物医療などにご利益のある珍しい神様だそうなので、

お近くの方は参拝してみてはいかがでしょうか。

 

◆昔の人から見たうさぎという生き物

 このように、昔話の中では、うさぎは基本的に

足が早くて賢い(ときどきずる賢い)存在として描かれています。

 

昔の人たちは、足が素早く猟が大変だったうさぎのことを、

「逃げ上手なのは賢いからだ」と考えたのかもしれませんね。

 

そんな神秘的な生き物でありつつも、

かの有名な鳥獣戯画にメインモチーフとして選ばれるなど

愉快でかわいい存在としても親しまれていました。

うさぎは昔の人たちからもとっても愛されていたんですね!

 

あなたも、お気に入りの「うさぎ昔話」を見つけてみては?

 

講師:岸本

 

昔話といえばたぬきやキツネのイメージが強いかもしれませんが、

「いなばの白兎」や「かちかち山」など、

うさぎが出てくるものも意外とたくさんあるって知ってましたか?

 

うさぎ好きな小さい子に「うさぎが出てくる昔話を聞かせて!」

なんてせがまれた時にサラリと話してあげられるように、

今回は日本に伝わる「うさぎが出てくる昔話」について

一緒に見ていきましょう!


 

あるところにおじいさんとおばあさんがおりました。

二人の家の裏にある山には、とても悪いたぬきが住んでおり、

おじいさんをからかったり、畑を荒らしたりとやりたい放題。

せっかくおじいさんが悪いたぬきを捕まえても、

悪いたぬきは悪知恵を働かせてすぐに逃げてしまいます。

困ったおじいさんは、賢いウサギに助けを求めました。

 

悪いたぬきを芝刈りに誘うウサギ。

芝を背負ったたぬきのうしろで、こっそり火打ち石をぶつけます。

「おやうさぎさん、このかちかち言う音はなんだい?」

「これはね、このかちかち山に住むかちかち鳥の鳴き声さ!」

……と言っている間に、芝がぼうぼう燃えはじめ、

たぬきは背中におおやけどを負いました。

悪いことをすると、かならずその報いがあるのです。

 

 

うさぎが出てくる昔話と聞いて、真っ先に思いついた方も多いのでは?

バリエーションが非常に多い昔話としても有名で、

主にたぬきの悪事とうさぎのお仕置きの数がさまざま存在します。

あなたの地元で伝わっている「かちかち山」は、どんな「かちかち山」でしたか?

 

◆うさぎとカメ

ある日のこと、足の遅いカメのことをウサギがからかってこう言いました。

「かけっこをしたら、ぜったいにボクが勝つよ!」

しかしカメはにっこり笑って、

「いいえ、あなたの足がどんなに早くてもわたしが勝ちますよ」と言うのです。

そういうわけで、二匹はかけっこをすることになりました。

スタートすると、うさぎがバッと前へ飛び出して、

カメを置き去りにどんどん進んでいきます。

ゴールの近くまでやってきたうさぎは、

「これだけ差があるんだ。ちょっとぐらい休んでも勝てるだろう」と

居眠りをはじめてしまい……

……目覚めたときには、とっくにカメがゴールした後でした。

才能があるけれどもサボってしまいがちな人より、

真面目にコツコツと頑張る人のほうが、結果は早く出るのです。

 

こちらも思いつく人が多いかもしれません。

「もしもしかめよ、かめさんよ」というフレーズが印象的な童謡にもなっていますね。

ちなみに、この物語には実はつづきが存在するってご存知でしたか?

 

それは新潟県に伝わる民話の一つで、

「カメに負けたうさぎはうさぎ村から追放されてしまうが、

機転をきかせてうさぎ村のピンチを救い、

無事にうさぎ村へ戻って幸せに暮らし続けました」という内容のもの。

 

一度失敗を経験しても、そこから学びを得ることができれば、

成功につなげることができる……という前向きなお話になっています!

 

◆いなばの白兎

 ある海沿いの島に、ちいさなうさぎが一匹暮らしていました。

向こう岸に広がる町が気になって気になって仕方ないうさぎは、

ある日サメを呼びつけると、

「サメさん、私の仲間とあなたがたの仲間のどちらが多いか数え比べしましょう」

と誘いました。

「あなたがたは、海に一列に並んでください。

私はそのうえを飛び跳ねながら数をかぞえます。」

言われる通りに並んだサメたちの背中をぴょんぴょんと飛んで渡るうさぎ。

しかしうさぎは、最初から数を比べるつもりなんてなかったのです。

やがて向こう岸が見えた頃、うさぎはとうとう、

「あはは!だまされたな!こっちに渡る足場にしたかっただけだよ!」と

高らかに言ってしまいました。

怒ったサメたちはうさぎに噛みつき、うさぎの皮をぜんぶ剥いでしまいます。

「えーん、痛いよ!」とうさぎが泣いていると、たまたま通りがかった神様たちが、

「海の水につけるとすぐに治るよ」とうさぎに教えてくれました。

ところが、海の水に肌をつけると、塩がしみてもっと痛くなってしまいました。

そこへまた違う神様が通りがかって、真っ赤な肌のうさぎを哀れに思いながら、

「池に入り、その塩水を洗い流しなさい。それからガマの穂を解し、

その上で転がるとよいですよ」と教えました。

うさぎが言われたとおりにするとすぐに痛みがおさまり、

元通りのふわふわの毛が生えてきたのでした。

この優しい神様は、のちに人々からとても尊敬される神様となったそうです。

 

他2つのお話と比べるとちょっとマイナーですが、

「悪いことをするとお仕置きがある」というしっかりした教訓が込められたお話です。

なんとあの古事記にも載っている、由緒正しい物語なんですよ。

 

舞台は隠岐の島であることが多く、鳥取県に存在する「白兎神社」では、

まさにこの物語に出てきたうさぎが神様として祀られています。

物語にちなんで、皮膚病や動物医療などにご利益のある珍しい神様だそうなので、

お近くの方は参拝してみてはいかがでしょうか。

 

◆昔の人から見たうさぎという生き物

 このように、昔話の中では、うさぎは基本的に

足が早くて賢い(ときどきずる賢い)存在として描かれています。

 

昔の人たちは、足が素早く猟が大変だったうさぎのことを、

「逃げ上手なのは賢いからだ」と考えたのかもしれませんね。

 

そんな神秘的な生き物でありつつも、

かの有名な鳥獣戯画にメインモチーフとして選ばれるなど

愉快でかわいい存在としても親しまれていました。

うさぎは昔の人たちからもとっても愛されていたんですね!

 

あなたも、お気に入りの「うさぎ昔話」を見つけてみては?

 

講師:岸本

 

幼少期に訪れた動物園で白い毛のロップイヤーラビットを見て「天使みたいな生き物がいる!」と電撃が走って以来うさぎに夢中。

今では自他共に認めるうさぎ好きで、「うさぎの魅力を語っていたら聞いていた相手もうさぎ好きに」「プレゼントをもらう機会があると何も言わずとも皆うさぎグッズを買ってくる」「友人がうさぎ柄のグッズを見て「あっ、岸本さんだ」と言い出す」などのエピソードを持つ。趣味はうさぎのぬいぐるみ集め。

 

 

幼少期に訪れた動物園で白い毛のロップイヤーラビットを見て「天使みたいな生き物がいる!」と電撃が走って以来うさぎに夢中。

今では自他共に認めるうさぎ好きで、「うさぎの魅力を語っていたら聞いていた相手もうさぎ好きに」「プレゼントをもらう機会があると何も言わずとも皆うさぎグッズを買ってくる」「友人がうさぎ柄のグッズを見て「あっ、岸本さんだ」と言い出す」などのエピソードを持つ。趣味はうさぎのぬいぐるみ集め。

 

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