劇場アニメ『君たちはどう生きるか』

劇場アニメ『君たちはどう生きるか』

宮崎駿監督の十年ぶりの新作長編アニメを観てきました。
事前宣伝をほとんど行わず、公開当日まで内容が分からないと言う異例の公開方法でしたが、それでもかなりのお客さんが見に来ており、さすが宮崎駿の信頼度は抜群だなと感じました。
おそらく日本で同じ事が出来る監督は他に一人もいないでしょうし、世界的に見てもスピルバーグ監督ぐらいじゃないかと思ったりします。

物語のフォーマットはいわゆる少年が大人になるお話しだと思うのですが、それよりも、宮崎アニメの奔放なイメージの濁流に呑み込まれました。
どこを切り取っても宮崎アニメだとハッキリ分かる、ちまたで囁かれているように、これは宮崎アニメの集大成と言って良いのだと思います。

詳しい内容については宣伝方法に配慮してネタバレなので書かないとして、すごいなと思ったのは、この作品が委員会方式ではなく、ジブリの単独資金で製作されたこと。
言わばこれは宮崎さんの壮大な自主製作アニメ、プライベートフィルムなのです。
最期かもしれない作品でほんとに自分の作りたいものを好き勝手に作る事が出来る。
それは今まで積み重ねてきた実績があるからこそ。

そしてそんな映画製作に、日本の名だたるアニメスタジオが参加していること。
庵野秀明のスタジオカラー、細田守のスタジオ地図、新海誠のコミックス・ウェーブ・フィルム、『攻殻機動隊』シリーズのProduction I.G、『鬼滅の刃』『Fate』のufotableなど。
宮崎監督の最期かもしれない作品に誘われたら、そりゃ、誰も断れないよね。
いやあ、すごいなあ。こう言う人生はほんとすごいと思う。

さすがに今現在82歳の宮崎さんに長編アニメはこれが最後になりそうな気がするけど、まだまだ小品でもいいのでアニメを作り続けて欲しいと思います。

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