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ガールズバンドクライ

今期のアニメで今いちばん嵌まっている。とにかく毎週毎週、笑って笑って最後にグッと泣かされるのはほんとにずるい(褒めてる)

主人公ニナは高校を辞めて都会に出てきた女の子。何か目的があったわけじゃない。負けたくないから、自分は間違ってないから。
そんなニナはほんとにめんどくさい。弱いくせに絶対に自分を曲げたくない。いつも自分の納得いかないことに怒って噛みついて、でもその想いが心に響いてくるんだよね。

このお話はもちろんそんなニナのお話で、彼女の青春物語といっていいし、実際彼女が物語を動かしていくわけだけど、でもよく考えるとこの物語は実は桃香さんの再生物語なんだと思う。

だってニナはもう救われてるから。いろんな不満を抱えて怒って暴れまわっているけれど、それは桃香さんの歌に救われて、死んでもあきらめるなと教えられたから。ある意味彼女の救済は終わっている。
でも桃香さんは違う。大切だったバンドをやめざるをえなくて、心に傷を負って自信もなくして前向きな将来を考えられなくなっている。

そんな桃香に対して、ニナが言ってることは一話目からずっと変わらない。一話の「一緒に中指立ててくださーい」から始まって、居酒屋での口論で涙をボロボロ流しながらの桃香さんには負けて欲しくない激白まで、ずっとニナは自分を救ってくれた桃香に負けて欲しくないという自分自身の願望を告げている。
それは結果として桃香にエールを贈り続けている、桃香を救い続けているのだ。
そんなニナに、土足で踏み込んで来る厄介なやつと言いながら、桃香は、それは私が忘れていた私が大好きでいつまでも抱きしめていたい歌なんだと優しく語りかける。

それでも桃香はいまだに葛藤の中にいるのだ。

多分、この先もニナは桃香に身勝手なエールを贈り続けるのだろう。そしてどこかで桃香が吹っ切れて再生する瞬間がやってくるのだろう。それこそが多分クライマックスだ。

だからこの先、怒りも喜びも哀しさも全て歌に込めるステージが見られることを願っている。

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