たくさんの好き【一人読み・朗読】

好きって言えないけど言いたいなら隠して言おう！

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いい天気だなぁ
とか
お腹が空いたなぁ
なんてのと
そんなに大差ないくらい
ぼんやり
ふんわり
キミの事が浮かぶ

周りの景色より曖昧なはずの
いつかのキミの声が
あまりにはっきりと耳に届いて

ソワソワして
胃のあたりが少し重い

この感覚に名前をつけるなら

「好き」

なんだと思う

ああ…そっか
そうなのかぁ

気付いても
認めても
きっと言えやしない

でも
やっぱり言いたくて

あれが好き
これも好き
だなんて
たくさんの好きって言葉に想いを隠して
こっそりキミに向ける

ひっそりと

届くように
届かないように

あわよくば
運良く
いつか伝わるように

なんて
ちょっとずるいことも考えながら
今日も告げる

「好きだよ」