【兎屋】逆噴射小説大賞2020ライナーノーツ【書房】

兎です。
逆噴射小説大賞、みんなは書いたかな。
兎は3つ書きました。
なんかまとめるといいらしいですよ。
まとめますね?

1発目『殺しの左腕にマリッジリング』

「左腕」は「さわん」と読みます。noteはルビ機能を早く実装して役目でしょ。
兎はなーんも事前に考えてなかったので、応募期間が始まってから考えました。
少女に振り回されるおっさんっていいよね、分かりやすい武器と必殺技が欲しいなあ、とか、そういうことを考えていた気がします。
兎の創作はいつもそうなのですが、いろんな思いつきを頭の中でぐるぐるさせていると不意にカチッと繋がる瞬間があり、そうするとほぼ骨格が出来上がります。その瞬間はいつも自分をてんさいかもしれないと思います。
書いてて気を遣ったのは、設定を語らないこと。設定を語らないまま、自然にストーリーを進め、かつ、設定を伝える。これはかなり上手くできました。
キャラクターの性別、年代、性格、舞台がサイバネティクスの普及した近未来であること。するっと認識できるように書けたと思います。
特に「ふふ、そういうところは変わりませんね」「あ?」の部分は、①過去に二人が出会っている、②少女は覚えているが男は覚えていない、③男が過去の印象と変わっていないことを少女は好ましく思っている、という情報を読み取れる名会話だと思うのですがいかがでしょうか。
1発目にして今回1番の自信作です。
続きを書く予定ですのでお付き合いいただければ幸いです。

2発目『 ジョン”ザ・ヴァンパイア”ハンター 』

死体泥棒が蔓延っていた時代のロンドンを舞台に、解剖医ジョン・ハンターがワクチン発明者で弟子のエドワードと共に吸血鬼を狩る話。
この話に出てくる、ジョン・ハンター、エドワード・ジェンナー、チャールズ・バーンは実在した人物です。
ウィキペディアでジョン・ハンター周りの記事を読んでいる時にできました。
ハンターっていうファミリーネームはかっこいいなあ、とか考えていたらヴァンパイアハンターになっていました。何でだろう。
ただ、一度思いついてしまうとジョン・ハンターにまつわるアレコレがどんどん吸血鬼狩りに結びついてしまい、こんな話になりました。
ジョン・ハンターは解剖医で、史実の時点で滅茶苦茶面白い人なので調べてみるといいでしょう。その上でこの話を読むと100倍面白いことを保証します。
逆に言えば、読者がジョン・ハンターを知っているかどうかで面白さが大きく変動してしまうのがこの話の弱点です。誰でも知ってるというレベルの人ではないですし。
でも、作中で史実を紹介するのは流れが悪いしダサいので我慢しました。
知らない人でも普通の吸血鬼狩りの話として読めるようにはしたつもりです。
でも知ってると本当に100倍面白いんだよ。

3発目『明るく楽しい慈悲の機械』

最終日23時から書き始めて23時59分に投稿するというギリギリの戦いの結果です。
わざとじゃないんだ。もっと余裕持って書くつもりだったんだ。
親しかった女の子の脳が戦闘機械の制御装置にされてしまうという悲劇にしかならない前提に、底抜けに明るく前向きで順応性の高いガールを乗っけたら、悲壮感がどっかに行ってしまった話です。
元気いっぱいの女の子とハッピーな話が兎は好きなので。
それだけだと物語の舞台が足りないので、別の話のつもりで考えていた月との戦争を舞台として放り込みました。
月人とは何なのか、月が出るとどうなってしまうのか。謎が生まれてヒキになったのでいい感じだと思います。
兎は脳内映像が出来てからそれを文章に落とし込むタイプなので、セリフは苦労が少ないのですが、地の文でいつも苦労します。気がつけばセリフばっかりになりがちです。
特にヤマブキちゃんは喋らせるのが楽しいのでセリフ減らすのに苦心しました。
作中に登場する兵器の名前「マーシトロン(慈悲の機械)」と「タナトロン(死の機械)」は、実際に作られて使用された安楽死用自殺装置の名称です。
タイトルの慈悲の機械はヤマブキちゃんを指しているわけですけど分かりにくいですね。もうちょっと良いタイトルに出来たと思うんですが、時すでに時間切れ。余裕がないのはダメですね。

宇宙、そして未来

久しぶりに物語を作りましたがやっぱり楽しいですね。
続きも書いていこうと思います。

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