#50年芋煮演劇振り返りツイートのまとめ

#平原演劇祭 #50年芋煮演劇 改めて見に来てくださった皆様、気にかけてくださった皆様、関わってくださった皆様ありがとうございました。

高野竜さんの50年の節目に携わることができとても光栄でした。
#フラスコ太陽 は大変でしたが、それ以上にとても楽しく、学ぶことだらけでした!

振り返り⤵︎

どこまで話を巻き戻すか迷って前日から。
今回は現地に前乗りさせて頂きました。夜、竜さんのお家のかわいいかわいいはがきちゃんがお布団の上に乗って一緒に寝てくれました。いろいろと緊張してたのですが、それが嬉しくて、なんか大丈夫かもと思えました。
腰は死にました。寝返りうてなかったので。

当日!今回の会場は埼玉県宮代町の新しい村でした。
誰もがイメージする田舎そのものを維持し続けるここは甘いノスタルジーに満ちていました。
芝生の広場を貸し切った会場。
予約済みの紙がついている囲いを倒したので、犬の散歩をする人やテントを張る人などが自由に出入りしていたのが印象的です。

12時頃、最初で最後の通しをしていると、お客さんらしき人達が集まってきた。
竜さんが予算を渡し、直売所でメインイベントの芋煮の具材を買ってきてもらうことに。大きな寸胴鍋いっぱい分の具材を洗ったり切ったりしながら、こちらまで聞こえてくる笑い声が素敵だった。
祝祭はもう始まっていたのだ。

風は冷たかったけど太陽が出ていた。14時過ぎに開演。挨拶の後、優しい劇団の尾崎優人さんと竜さん、ほうじょうさんによる「秘密の花園」「野獣降臨」「ガム」「勧進帳」「白浪五人男」
平原演劇祭では少し珍しい?男性率100%
3人とも体全体からほとばしるエネルギーが見えるかのよう。

シーンは切り貼りされ、内容を追うことは難しい。ベンチの位置と緑のロープが客席と演者を隔てて、遠かった。
それでも揺れながら跳ね返りながら響いて届く声があった。
「野獣降臨」の「地球は少しも青くない。まっくろだ」とフラスコ太陽の終盤の台詞「やっぱり穴だよ。太陽は穴なんだ」の繋がり。

ほうじょうさんのひょうひょうとしたヒューストンがなんだかおかしかった。尾崎さんの声の通り方が本当に見事で、平野なのに金属ボウルの底で声を出しているような。目を惹く華のある人だと感じた。正面で見たかった!
竜さんはほぼ即興。でも50年の凄みが見えた。1つの事に真摯に取り組む人の強さ。

ラストをまくってアンジーさんが現れる。バックの緑に白いドレスがとても映えていた。場の空気をピリッと引きしめて、楽器隊による輪唱「無声」。酒井さんの張り詰めた高音に続いて歌った。太鼓やバケツがリズムを取る。私が叩かせてもらった銅鑼はすごく重くて、叩きながら舞うのが大変だった。

そしてのあんじーのお二人の「イレフダ」と青木祥子さん、角智恵子さんの「クラノスケルス」が交差しながら展開していく。イレフダは国定忠治だけど、写真を見てそうだとわかる人はいないと思う。のあさんの黒とアンジーさんの白の対比が綺麗すぎて逆に直視できないような。ふたりは大人のプリキュア。

ちえさんとしょうこさんのお2人はそれぞれ役柄らしい格好。草履はお手製で、笠とか鍬はこの為に購入されたらしい。すゅごい。ちえさんが実直な武士を演じ続け、祥子さんが小物を巧みに使い分けて役を演じ分けるコントラストも素晴らしかった。
かなり遠くの場所にいても世界とお客さんと繋がっていた。

ちえさんのスターウォーズのテーマの替え歌が面白すぎだった〜!天高く伸びる声と歌詞の面白さのギャップ!歌詞公開されて嬉しい。
祥子さんが留守だと言って追い返したあとすぐ外の農夫?になるところが鮮やかで面白かった!2人しかいないとは信じられないほど豊か。もっと移動しつつ見ればよかった!

のあさんは声質と声の出し方がとても良いのだと思う。風に負けるどころか風に乗って言葉が届く。
アンジーさんの底の深さと妖艶な美しさは本当にすごくて、なんとなく自分といちばん遠いところにいる方のように思っている。ワイングラスを傾けて色鮮やかになるところ佃喜翔すぎでは??

繰り返し現れるスターウォーズのモチーフ。なんでだ??明らかに異質で、景色からも物語からも浮いてるんだけど、そこも楽しかった。
ライトセーバーちゃんと振ってる時ヴォンヴォン音が鳴ってたんだけど、お客さんは気づいたかな。
平原演劇祭の子、のあんじーによる父 殺しということだろうか。

愛の嵐!山口百恵さん!あの打ち合わせでパーフェクトに伴奏をしている酒井さん!
パート割りが天才でした〜。
竜さんは八神純子VS山口百恵とか言ってたけど戦わせないでほしかったよ…。
別に戦ったわけじゃないけど…。

鍋のサイズに比べてささやかな火だったけど、いろいろな方が面倒を見て下さったおかげで芋やゴボウにもしっかり火が通り、芋煮会スタート。この日のメインプログラム。いただきますの前には酒井さんの指導のもと「イモニエ」をみんなで歌った。器を叩き、歌う間にもいい香りが漂っていた。

フラスコ太陽でのあさんと私の左利き板書シーンがなくなったので、代わりに左利き用のレードルを使って配膳を行った。後半は同じく左利きの酒井さんにバトンタッチ。
様々な種類の芋やモツ、根菜の旨みが出ていてとてもおいしかった。
この頃にはすっかり肌寒くなっていて、椀で手を温めた。

芋煮を食べ終え、フラスコ太陽のエリアにお客さんが皆移動したところで火が暮れてきた。セーターを着て、タイツをはいていても寒かった。本当は靴はローファーを履きたかったけど、前日の雨のために断念。白いスニーカーしかもってなくて結局靴はすごく汚れた。
夕日を背にして立った。

ぐるりと会場を時計回りに歩いてから、3角形のエリアへと歩く。
その頃にはもうほとんど日は沈み、懐中電灯が光っていた。
私の使うベンチにpapamomoさんが座っていたので思いっきりどかしてしまった。今考えてもどうしたらいいのか分からないけど申し訳なかったな…。
冒頭の語りはわざととても長い。

ちはるさん演じるイリの「イマーム・オマーム!」の声で3人揃ったことがわかりほっとした。
本番直前の練習でうさぎの人形が喋ってる間は思考の軸を左手に移せるようになっていた。
そのために撮ってもらった写真のユウの方はいまいち気の抜けた変な顔ばかりしている。

3人ともはじめは顔を中心にライトが当たっていたのが、段々手の先の人形まで照らされるようになっていったのがわかった。
観客からすれば全てをみてきくには暗いし、やや遠い形、複雑な話だったと思う。
客席からの集中力というか熱量が伝わってきた。

右藤先生を演じたほうじょうの巧みさ!沢山引き出しがあって、面白くてキャッチーだった!静かめに進む3人のところに突然現れてぐいぐい引っ掻き回していってくれた。変だったけど、やっぱり大人だよねっていう微妙なバランスのとりかたが素晴らしかったと思う。
ハチャメチャな衣装が似合うのも強み。

登場シーンで乾いた拍手と声だけが聞こえて、それから犯人が見つかった時みたいにバッと一斉に照らされるところがよかった。
腹話術部の応援のところの支離滅裂さと変な説得力はほうじょうさんならではの味なのでは。
ハヤトの肩殴るところやばすぎだった。

のあさんは強くて豪快で、かつ繊細なハヤトにぴったりだったのでは。
肩を痛めた元運動部、秘めた恋、反政府の豪傑、弾き歌い、数学ハクション大魔王等…複雑で大変な役をものすごい完成度で演じてた。
のあさんは稽古の時これやれる?って言われたことを断らない。
そして次回にはできるようにする。

それって本当にすごくて、誰にでもできることじゃない。
仕事ができて天真爛漫で、人形とシンクロする豊かな表情。どれも憧れでした。
作中でも私がやったユウとのあさんのハヤトは正反対だって言われてて、その感じが出ていたらいいな。
ネクタイにブレイズでスポーツバッグって衣装が可愛すぎた。

人間、逃げっぷりにも人格があろうぜ?と笑う姿は本当に中央アジアのむくつけき髭面の男がそこにいるように感じた。
人形がでもなく、のあさんがでもなくて、ふたつが一体となってひとりを表していたような感じ。
遠くでも声が聞こえてきた。

イリを演じた雨さんは稽古初回からイリで、奸臣アリだった。稽古を重ねるごとにどんどん精度は上がっていったけど、そのコアの部分はずーっと変わらなかったように思う。
イリはすごく聡い。ハヤトとの仲の良さと、ユウとの距離の違いを自覚しつつ3人でいる空気感は雨さんから出てたのではないかな。

全編を通して毒っ気のあるかわいさが漂っていて、その健全ではない普通の高校生っぽさがとても魅力的だった。
剣舞のところハッピーだったな〜。
数学の証明のところとかでいい感じのゆるさが出ていて、シリアスに全然ならないところも雨さんの演じるイリらしさだったように思う。

天を羅列するところは適当さとスケール感が両立しているのに驚いた。仏教を作った人々の考えた世界の限界と、それを遥かに上回る宇宙の現実の相反する感じがよかった。
台本見たらあれを覚えた雨さんにビックリすると思う。

今回で1年振りの舞台だと伺ったけど勿体ないというか、雨さんが舞台で輝くところをもっともっとみたいと思った。

私が演じたユウは、夢遊病で、人格がいくつもあって、完全にユウとして話す言葉はほんのわずかしかない。最初はほんとに難しくて、稽古の時期に心が弱る出来事もあったからすごく大変だった。そろそろスロースターターをやめたい。

うさぎの人形が話すシーン、学者オマルとしてのシーン、教頭のシーン、ユウの声だけどうさぎの人形が動かすシーン、乖離から帰ってきて感情を爆発させるシーンの違いが見えていたらいいな。
私のラストのシーンは西にぎらぎらの夕日、正反対にまっくろな日蝕が昇っていました。
難しくて楽しかった!

橋の上での「とうとう、俺たちの時代がくるのだ」「わしらの仕事はうまくいけば世界を覆すそれだけに時間がかかるのだ」「しつこく、語り継いでくれ」という台詞が本当に好き。
これは芸術や文学に携わっている人全てへのエールなのではないかと思う。

真っ暗な19時に終演。竜さん50周年おめでとうございます。
多幸感に満ちたお祝いの場にご一緒させて頂きとても楽しく幸せでした。
本当にありがとうございました。

ひなた年末も出演させていただく予定です。
またお会いできる日まで皆様お元気で。

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