タバコの種子の輸入について 後編

前回、植物検疫証明書の添付し忘れで税関に全部廃棄された続きである。

正月休み中に作戦を練って他の業者を探していた。植物検疫証明書を添付してくれる業者を。

一つサイトは見つかったが、まだサイトの管理人が生きているかは怪しかった。2010年頃に設立されたサイトだと飽きて放置された可能性がある。

買い物かごもない。管理人のメールアドレスと電話番号だけ書いてある昔ながらのサイトである。「本当にこの店やっているのか?」と思った。

他に候補も見つからなかったので、正月休み明けに業者にメールを送った。
タバコの種子を日本へ輸出してくれるかと、植物検疫証明書を書いてくれるかを聞いた。

返事が来た。
「日本への輸出はできるよ。大半の国では植物検疫証明書は少量だと添付が義務付けられてないから無くても大丈夫だよ。少量ならこっちで注文してね(別サイトのアドレス)」

どうやら他の国は少量の植物の輸入だと植物検疫証明書が不要らしい。
確かに、陸続きのハンガリーで少量なのに検疫をわざわざ行っていたら税関の職員がいくらいても足りない。

しかしここは日本である。日本は少量であっても植物検疫証明書が必須だ。現にこの間は植物検疫証明書がなくて全部廃棄された。
植物検疫証明書は輸出国の農水省の役人とやり取りが必要なので、業者は小ロットの購入では書類を作りたがらない。
ここで引いてはいけない。意地でも書類を作成してもらうのだ。

「日本の法律では、量に関係なく植物検疫証明書が義務付けられているんだ。多めに買うから植物検疫証明書を書いてくれ」とメールを返信した。
返信が来た。

「その量だと数エーカー分の種子だけどマジで買うの?」

タバコの種子は極めて小さいので数グラムでもかなりの量になる。
ググったら1エーカーで1,224坪くらい。首都圏の戸建住宅の坪数の平均が33坪程度。
買った当時はエーカーの規模がよくわかっていなかったので、頭のおかしさが後から判明した。無論、そんなに広大な土地は持っていない。

ここでの目的はタバコの種子の輸入と植物検疫証明書の添付である。
この際、量の多さはどうでもいい。
「友達も欲しがっていたから多めに買うよ」
友達が欲しがっている設定にして業務用ロットで購入する意思を伝えた。
この時点でタバコの種子を欲しがる人はいなかったが、輸入が成功すれば誰かは欲しがるだろと思って多めに買っても大丈夫だと考えた。
なお友達に地主はいない。プランテーション農園主もいない。

植物検疫証明書の作成がなんとしてでも必要だ。
困ったら札束でぶん殴れ。
目的のためには手段を選んではいけない。
うるさい小娘の口をキスで塞ぐイケメンのような強引さである。

札束で殴る作戦が効いたのか、タバコ業者は「OK。植物検疫証明書を作成するのに送付先の住所が欲しいから教えてくれる?」とメールが来た。
送付先の住所を教えて数日待った。

数日後、支払金額がPayPal経由で来たので代金を支払った。
怪しい業者とやり取りをする時はPayPal経由で支払うといい。
荷物番号が送られてきてトラッキングもできたので無事発送された。
後は税関が通るのを祈るだけである。

数日後、日本に荷物が到着した。通関手続き中が数回表示されたので中身の開封は行われていると確信。
業者は「封筒は別に開封されないよ」と言っていたが、ガッツリ開封されている。個人輸入を何度も行っているので、税関にマークされている可能性はある。

手元に荷物が届いた。植物検疫の開封済みシールが貼られていたので植物検疫は行われている。中身を確認した。

種子は無事だった。
マンモスうれぴ~~~~!!!


Basma種。地中海地域で主に栽培されている。
Virginia Bright Leaf種。いわゆる黄色種。

植物検疫証明書も添付されていたので、書類をしっかり作成してくれる業者だとわかった。植物の種子の輸入は書類を作成してくれる業者を探すのが大変である。

正月明けにも関わらず、頭のおかしい量を輸入する東洋人のために農水省の役人と連絡を取ってくれる優しい業者だった。
海外の業者は連絡すると意外と返信をしてくれる。あと反応が早い。金がある限りは客なのだ。

タバコの品種の扱いが豊富な業者だったのでタバコ栽培にハマったらまた利用しようと思う。

今は種子を蒔いて発芽するかの実験中。発芽したらまた記事を書く。

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