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物語『おやすみ山』

昔々あるところに『おやすみ山』という不思議な山があった。
その山を眺めるとみんな眠ってしまう。
気持ち良さそうにスヤスヤと寝入るのだが、一晩で目覚める。

これを知った不眠症者達が山の近くにぞろぞろと集まり、今夜も床に就いておやすみ山を眺めた。


途端にみんな寝てしまう。おやすみ山の麓では、あらゆる生き物たちの寝息が聴こえる。
すやすや、すやすや。

さあ、皆も寝ようかのう。
ほおら、おやすみ山を見て、
ゆっくり。おやすみ。


(了)

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