RKE 28mm (Edmund Optics)
海外のサイトでは、よくこのアイピースが絶賛されている。曰く、像が飛び出す、他と比べられない、想像を絶する、筆舌に尽くしがたい、信じられないくらいユニーク、カルト的信者がいる、magicだtrickだ、ナグラー、イーソス、ペンタックス、ブランドンよりいい、などとどんどん言葉がエスカレートして行く。ランダムドットステレオグラムのように飛び出して見えるのだろうかと想像してみたりするが、日本語での情報もほぼなく、いまいちどういうことなのかわからない。
で、やってきた。Borg 55FL binoで見てみると、アイレリーフが長く、かなりアイピースから目を離さないとうまく見えない。こんなに離していいのかと思うくらいにまで離すと、世に聞く見え方が現れた。たしかに、他のアイピースとは違う見え方で、それほど広視野ではないのに(45°、実際には50°以上くらいには感じる)、井戸の底からのぞいているような感覚はない。通常これくらいの視野のアイピースは、井戸の内壁部分に当たるところがドーナツ状に幅広く見えるが、これは円形の穴がぽっかりと、針金のように細い黒い縁取りで空中に開いていて、その円形の浅い穴に星像がある、というような感じ。ドラえもんの「通り抜けフープ」のように、空中にあいた穴が異界につながっているような見え方でもある。このことを”floating effect”と言っているのだろうか。「テレビ石」という石があるが、あれのような意味で「飛び出す」ように見えるといえばまあそうかもしれない。やはりうまく伝わらないので、のぞいて見るほかはない。が、イーソスよりいい、とはあまり思わない。
星像はシャープで、コートハンガー星団が可愛らしく視野に収まる。 たしかに個性的で楽しい、体験型アイピースという第一印象。