割れたキーボードをハンガリーから個人輸入した話

はじめに

キーボードを割りましょう!!!!

楽器のキーボードではなく、PCの入力機器のキーボードの話です。

自分は仕事柄ずっとPCを使っている人なのですが、キーボードにこだわった結果、ハンガリー製の左右に割れたキーボードを買うことになりました。

この記事では、そのキーボードを買うことになった経緯や、こだわった部分について書いていきたいと思います。

今使っているキーボード

こちらが今自分が使っているキーボードです。

my new gear… って言いたかっただけ。

こちらはUltimate Hacking Keyboard (UHK) という分割キーボードです。製作元の会社はハンガリーにあります。

カスタマイズも合わさって、全く同じものを使っている人はいるはずがないので、職場の人などがこの記事を見たら即バレします。

かなり気に入ってて、壊れるまでずっと使い倒すことになるだろうなと思っています。

なぜキーボードにこだわるのか?

先ほどの通り、自分は仕事中ずっとPCを使っており、さらにPCでゲームをしています。なので、一日のうち10時間以上PCに向かっている日はザラにあります。

そんな人間なので、当然PCや周辺機器にもこだわりたくなります。野球選手がいいグローブやバットを揃えたり、バンドマンが楽器にこだわるのと同じように考えてもらうと分かりやすいと思います。

また、Happy Hacking Keyboardというキーボードのサイトには、開発に携わった東京大学の名誉教授、和田英一先生の以下の言葉が載っています。

アメリカ⻄部のカウボーイたちは、
馬が死ぬと馬はそこに残していくが、
どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。

馬は消耗品であり、
鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。

いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、
生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。

https://happyhackingkb.com/jp/special/dr_wada/

キーボードはPCを構成するパーツの中でも特にユーザの体に直接触れる部分であり、おそらく今後入力機器としてキーボードに取って代わる入力機器が現れるとしてもかなり先の話になるでしょう。

PCは数年ごとに買い替えることになるでしょうが、キーボードは一度自分に合ったものを見つければ、ずっと付き合える相棒になり得るのです。

買うまでの経緯

元々、自分はキーボードに対する関心はそこまでなく、壊れにくくて打ち心地がよければいいかなと思っていました。
そんな自分が先ほどのキーボードを購入するまでに至ったのには、2つほどのきっかけがありました。

1. 会社の先輩に触らせてもらったErgoDox EZ

当時勤務していた会社のある先輩が、会社でErgoDox EZという分割キーボードを使っていました。

このとき初めて分割キーボードを触り、衝撃を受けました。
左右の手を無理に一つのキーボードの幅に寄せなくていいので、かなり楽な姿勢で座ることができる。また、左右のキーボードの間にタッチパッドを置くことができるなど、デスクのレイアウトがかなり自由になる。

ErgoDox EZの格子型配列が自分には少し合いませんでしたが、この時はっきりと分割キーボードっていいな、と思うようになりました。

その数日後、初めて分割キーボードを購入しました。Mistel BAROCCO MD650Lという分割キーボードでした(今ではAmazonでは在庫切れとなっています)。

しばらくこちらのキーボードを使ってはいたものの、正直あまりしっくりきませんでした。キーストロークが短めだったのと、キーレイアウトが変えづらかった記憶があります。あとキーの色がベージュ+グレーっていうのがちょっと……。

2. 「キーボードは好きですか?」

2019年の夏に、「キーボードは好きですか?」というスライドを公開した方がいました。ちょうど上のキーボードを買い、もうちょっと自分に合うものが欲しいな~と思っている時期でした。

目を通すとわかりますが、このスライド情報量がすごいです。
キースイッチやサイズなどのこだわりポイントに加え、どういったキーボードがあるのかなどを、100枚以上のスライドで紹介しています。

キーボードにもう少しこだわりたいなと思っていたところに、こんな大量の情報を投げられたもんだから、しばらくはスライド眺めていいな~と指をくわえている日々でした。

その後

先ほどのBAROCCO MD650Lも1万3千円ほどで買ったものであり、気軽に買い替えようと思うほどの値段ではありません。
でも、やはり知識を入れてしまったので、しばらくは「別のいい感じの分割キーボードあったら買い換えたいなぁ~」と思い、Google検索でいい感じのキーボードを探すのが日課になっていました。

買う際にこだわったポイント

しばらく、以下のポイントを条件としてキーボードを探していました。

  • 分割式。
    これがすべての前提条件

  • キーの物理配置が格子状でない。
    ErgoDox EZの格子状配列が合わなかったので、普通のキーボードと同じく少しずれている配列のもの。

  • 無刻印。
    なんかかっこいいから。キーの割り当てを変える際に混乱しそうだったので、いっそないほうがいい。

  • コンパクトサイズ
    テンキーはいらないし、F1とかのファンクションキーもいらないので、それよりはキーボードのサイズを小さくしてデスクのスペースを確保したい。

  • キー配置が変更できる
    キー配置の変更をするソフトウェアはあるが、違うPCで使ったりもするので、キーボードの設定でキー配置を変更できるとうれしい。

  • US配列
    日本語配列との違いは、変換/無変換キーがな、Enterキーが小さい、他にも記号の配置が結構違うなど。
    この前からUS配列に慣れていたので、もう日本語配列には戻れない。

他にもキースイッチや見た目等もいいのがあればというような感じです。

そして、日課のGoogle検索で見つけたのが、先ほどのUHKでした。

UHKの使用感など

いいところ

  • 上記の条件をすべて満たしている。

  • 専用の追加モジュールがある
    タッチパッドやトラックボールなどの4種類のモジュールを一緒に販売しています。取り付ければ、マウスへの持ち替えなどでキーボードから手を離す必要がさらになくなります。
    自分は左手側のキークラスターモジュールを追加しました。

  • 現在のキーレイヤーが一目でわかる
    今どんなレイアウト、レイヤーを使っているか混乱しそうですが、左側キーボードの上部に表示されており一目でわかるようになっています。

  • 専用のソフトウェアでキー配置の変更がGUI的にできる
    開発元がUHK Agentというソフトウェアを一緒に出しており、簡単にキー配置の変更ができます。RPGツクール製のゲームをすることがあるのですが、やりやすい配置を自分で作ったりもしました。

UHK Agentの画面はこんな感じ

悪いところ

  • 単純に値段が高い
    購入当時で一本約3万円、2023年12月現在は値上げと円安の影響により一本約4万6千円になってしまっています。さすがに軽い気持ちで買える値段ではありません。

  • サポートが受けづらい
    開発元のサポートが悪いというわけではありませんが、海外企業なので当然メールのやり取りは英語になります。DeepL翻訳ありがとう。
    さらに、修理依頼を出そうとなると国際配送になるので、これも手間がかかります。

みんなもUHKを使おう!

とは正直思いません。UHKは素晴らしいキーボードだと思っていますが、正直人に買うよう勧められるかというと、否だと思います。そもそもかなり高いので。

おすすめ分割キーボード

分割キーボードを使いたい場合、最初に自分が買ったMistel BAROCCOシリーズがいいと思います。日本語配列、英語配列どちらもあり、値段もAmazonで17,000~25,000円程度なのでUHKと比べだいぶお手頃です。あと現在のカラーリングはベージュとかではないです。

さらに安い分割キーボードとなると、自作キーボードになってくるかなと思います。

遊舎工房という自作キーボード専門のお店が秋葉原にあり、通販でも購入することができます。基本的に販売しているのは自作キットなので、自分ではんだ付け等をする必要があります。

自作キットだけでなく、キーキャップやスイッチなどのパーツ単位でも販売しています。
自分も一度実店舗で白いキーキャップを購入し、現在使用しているUHKに取り付けています。

最後に

冒頭でも述べた通り、キーボードは自分の体に最も接する機器です。お財布と相談は必要ですが、自分のあったキーボードを探してみてはいかがでしょうか?

ではこの言葉で締めたいと思います。

全人類キーボードを割ってくれ!!!


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