誰かに、誰かで、誰かを、

今が夜で良かった。日中なら耐えられなかった。
正気でいられない今、ふと思ったことがある。

何か悲しいことや耐えられないことが起きた時、わたしは必ず夜、真っ黒な海と、優しい月を仰ぐ。何時間も、ひとりで、夜の海辺にいる。


生命のみなもと。母なる海。偉大で、広大で、全てを飲み込んでしまう。
悲しいときも、嬉しいときもいつも海へ行って、お母さんに報告する。
内定が決まったとき、お母さんに、合格したことを報告したり、
彼氏に浮気されたとき、お母さんに、泣きながらどうしたらいいかわからないと話したことがある。

お母さんは、だまって、何も言わずに、ただ目の前に広がり、波を打つ。優しい音で。

わたしは海が好き。夜が好き。そして、月が好き。星が好き。何も語らずとも、わたしを優しく抱いてくれる

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