消えない思い出

これまた高専2年生の時
何もかもが幸せだった

ある冬の冷え込んだ夜、その日も学校で友達と遊んでいたために夜遅くなったので地元の駅で母さんの迎えを待っていた

私はタクシー乗り場のベンチに座って、目の前に広がる夜に溶け込んだ街を見てぼんやりと思った

消えたい
今、私の存在がこの夜に吸い込まれて
消えてなくなって、
私自身がいなかったことになって
明日も私がいない世界が温かく存在してほしい
明日も私がいない世界でみんなが笑っていてほしい

飽和した幸せに選びたくなる道はどうしても消えることだった。

今でもあの日の夜を忘れたことがない。

タイミングを失ったと思った時、いつもあの冬の夜を思い出す。消えたいと思ったあの時

私はあそこで消えていれば良かったと思う

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