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お前のせいだよ、夏目漱石。
夏目漱石をぶっ飛ばしたくなる時がある。
月が綺麗 という「現象」に変な意味をつけやがったからだ
〇〇が綺麗という文は、というか感情は今日も何万人かが無意識に思い浮かべたことだろう。
綺麗の対象はそれぞれあったとして、問題は月。
月を綺麗だと愛でることには、正確にはその感情を共有することにはもう一つ意味がある。
好きな人との帰り道に浮かんでいる月は大抵見事だ。
そしてその見事な、無常にも見事な満月は奥手な片想いの人間の心をえぐる。
綺麗だねと呟くと、相手も何かしらの返事をするだろう。
ただ、相手に聞いた瞬間にこの一連の会話の矛先は「月」ではなくなる。
お前のせいだよ、夏目漱石
俺は月の話をしたいだけなのに。
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