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あなたが鳴くなら、私も咲くわ【ヒヨドリバナ(オオヒヨドリバナ)】

こんにちは、うりぼうです。

10月だというのに、暑いですね...。
ちょっとの間涼しかった時期があっただけに、余計に身体が暑く感じてしまいます。

でも、夏と比べるとカラッとはしているので、朝晩は気持ちが良い。そこは秋だな、と感じるところです^^

植物も徐々に秋の顔が出揃ってきました。

今回はその中から「ヒヨドリバナ」を紹介したいと思います。

ヒヨドリバナって?

ヒヨドリバナは、キク科ヒヨドリバナ属に属している植物です。

同じ仲間の「フジバカマ」は、自生しているのはほとんど見られないそうですが、「ヒヨドリバナ」は、都市部の道端ではあまり見かけにくいものの、少し山の方に近づくと比較的たくさん生えています^^

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白いもじゃもじゃした花が特徴的です。
花なの?穂なの?と聞きたくなりますが、拡大するとちゃんとお花です。

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小さなお花の集合なんですね。よく見ると、とても綺麗なお花です。

花は5つに浅く裂けた筒状です。
もじゃもじゃに見えたのは、そこからぴょんぴょんと二つに分かれて伸びているものだったのですね。

なんだか釣り竿のようにも見えますが、実はこれがめしべなのです。

めしべがこんな風にぴょんぴょん出ているのは、やっぱり虫が受粉するからではないかとおもいます。

「ヒヨドリバナ」にはハナムグリ(?)も集まってきていました。

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めしべが花の外まで伸びていることで、虫についた花粉もめっちゃ受粉できそうです。

「ヒヨドリバナ」にはクマリンという成分は含まれているそうで、葉っぱを乾燥すると桜餅のような甘い香りがするそうです。

そんな甘い香りを、虫たちは感じとって寄ってくるのかもしれません。

人が感じる味というのは香りの割合が大きいと聞いたことがあります。
虫は味を感じるのかどうかわかりませんが、もし香りを感じるなら、クマリンのおかげでとてもおいしい蜜なのかもしれませんね。

それにしてもかわいい名前ですね、クマリン。
某はちみつ大好きなくまさんが浮かんできてほっこりします。

名前の由来は、ヒヨドリのなく頃に咲くから、だそうです。

同じような時期に色んな花が咲き誇る中で、この花がどうして選ばれたのかすこし気になるところです。

ヒヨドリバナの分類

「ヒヨドリバナ」とここでは書いてきましたが、その辺りに生えているヒヨドリバナは、ほどんどが「オオヒヨドリバナ」と呼ばれる「ヒヨドリバナバイスウタイ(三倍体)」だそうです。

倍数体?三倍体??
おっといきなりよくわからない言葉が!!

私もよくわからなかったので調べてみました。

三倍体とは
細胞の染色体の基本数の3倍の染色体数をもつ倍数体をいう。

む、難しい。

さらに調べてざっくりですがわかりました。
せっかくなので、私のざっくり解釈をお話しますね。
間違ってたらごめんなさい...

染色体の数が2で割り切れないので、受粉して種を作るとき、正常に種子となるまでの過程を行えず異常にとなる割合が高い植物。
(つまり受粉によって種を作れないと考えられる。)
挿し木などによって繁殖させる。

簡単にいうと、受粉によって子孫を残せない植物たち、ということになります。

かといって、自然界では挿し木などは無理ですよね。

三倍体の野草はどうやって増えるのか、皆さんご存知のものを例として挙げます。

・ヒガンバナ:球根で増える
・日本のドクダミ:クローンの種を作って繁殖する
・日本に定着したセイヨウタンポポ:クローンの種を作って繁殖する

敢えて「日本の」とか「日本に定着した」とか書いていますが、その種のすべてが三倍体ではない、ということを言いたかったからです。

また日本に定着したすべての「セイヨウタンポポ」が三倍体というわけでもないようです。

そういう種類もあるんだな、となんとなく思っていただければ嬉しいです^^

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話を「ヒヨドリバナ」に戻しますね。

「ヒヨドリバナ」には二倍体(受粉によって種子を作って増えるタイプ)と三倍体に大きく分けることができます。

前者は「キクバヒヨドリ」と呼ばれ、葉っぱが本当の菊の葉っぱのように深く切れ込みが入っています。

後者は「オオヒヨドリバナ」と呼ばれます。
最近では「ヒヨドリバナ」といえば「オオヒヨドリバナ」を指すことが多いそうです。

葉っぱがいろいろ

「ヒヨドリバナ」は葉っぱの形違いも多いそう。

私は普通の「ヒヨドリバナ」しか見たことがないので、なんとも言えないのですが、なかなか種類が多そうです。

例えば今回の紹介している「ヒヨドリバナ」は同じ位置から二枚の葉っぱが出ていますね。(写真の赤丸です)

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これが4枚になると「ヨツバヒヨドリ」という名前の植物になります。
少し赤みがかったお花だそうです。

湿地に咲いて、深く葉が3つに裂ける特徴があるのは「サワヒヨドリ」。

さらにはウィルス病にかかって黄色い斑紋があらわれたものは「キンモンヒヨドリ」とも呼ばれたりするそうです。

ここでは少しの例を挙げましたが、他にもあるそうです。
うーん、同じような花なのに、なるほど、確かに種類が多いです^^;

おわりに

今回は「ヒヨドリバナ」を紹介しました。

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葉っぱが桜餅の香りであることを、家に帰ってから知ったので、またしても機会を逃してしまいました。

次に出会ったら一枚頂いて、香りを楽しんでみようかと思います。

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【余談】

「ヒヨドリバナ」はアサギマダラが大好きなお花のひとつとしても知られていますよね。

今回「ヒヨドリバナ」を撮影していて、ひらりと舞う蝶々がいました。

アゲハチョウに比べると少し大きめのその蝶は、バサバサ羽を動かしているというよりは、滑空しているという表現が近いような飛び方で、ふわりと目の前に降りてきました。

あれは、まさかのアサギマダラでは!!

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初めて近くで見ました。まさかこんなに近所で見られるとは!

勝手に自然豊かな山間地域でしか見られないと思っていたので、うちの近所の低い山にいるとは思わなかったのです。

アサギマダラは海を渡り長距離を飛ぶ蝶として知られています。

飛び方がツバメのように滑空しているように感じたのは、長距離を飛んでも疲れないような工夫なのかもしれませんね。

アサギマダラの写真はFUMIEさんの記事がとても美しいので是非ご覧ください!

FUMIEさんのnoteは美しい写真と添えられた言葉が絶妙なのです!
いつも素敵だなぁと思うと同時に、とても癒されています^^

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もしかしたらアサギマダラとの出会いもあるかもしれないヒヨドリバナ、近くにありましたら、ぜひとも観察してみてくださいね。

最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

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