葬儀屋へ行ってきた

十数年前、父が亡くなった時は、私は喪主をしていないし、そもそも葬儀屋選びや葬儀の段取りは、どうしたのかわからない。(誰が喪主をしたのかは、またの機会に書く。)

でも、母と違って父は、亡くなる前にすでに知人の住職にもろもろ頼んでいたため、安置、通夜、納棺などは、その住職のお寺で執り行うことが決まっていた。なので、葬儀屋選びと段取りを決めればよかった。ただ、まだGoogleがなかった時に、どうやって葬儀屋を選んだのか、記憶がない…。

母が亡くなったら、私が喪主になり、基本的には私ひとりで仕切らなくてはならない。亡くなった日に、冷静な判断ができないかもしれないし、何もできなくなりそうな怖さもあり、今のうちに葬儀屋をいくつか当たっておくことにした。

ネットでは、当然たくさん葬儀屋が出てくるし、どこも思考を凝らしたサイト作りをして、差別化をはかっている。

価格の安さ、明確さ、信用度などをうたっているところがあったが、基本的に電話相談のみで、店舗の住所がない。つまり対面相談ができない。葬儀のイメージや流れもまだぼんやりしていて、質問するにも何を質問していいかもわからない場合、電話相談だけでは難しい。なので、歩いていける距離に店舗がある、地元密着的な葬儀屋で、かつ対面相談が可能なところに行ってみようと思った。

まず1件目。電話をすると、来てくださいとのことで、母が痛みもなく、気持ちよく眠っているのを確認し、家から歩くこと10分。住宅街のど真ん中、おそらく築50年ほどの二階建ての建物の前に看板を見つけた。ドアを開けると、1階部分が半分ほど土間になっていて、机が置いてあるだけ。最初の印象は、薄暗くて陰気。40代後半か、50代前半ぐらいの社長さんと、話し始めた…はいいものの、まずは誰の葬儀を検討しているのか、私はすぐアメリカに戻るし、予算的なことなども踏まえて、シンプルにやりたいことまでは、私から伝えた。でも、その上で、あちらからの質問が少なく、提案もない。結局、葬儀の流れもつかめず、イメージもできず、モヤモヤしたまま、不安になって帰ってきた。

翌日、家から15分ぐらいの別の葬儀屋へ。簡素ではあるけど、明るいオフィス。若くて、明るい営業マンが出てきた。1件目と違って、話していくうちに、亡くなってから火葬し、自宅に帰るまでの流れがわかり、イメージすることができた。経験から基づく提案もいくつかあり、不安な部分は、解決策も教えてくれた。もちろん、地元なので自宅、病院、火葬場の距離感、所要時間などがすぐに感覚でわかるので、仮のタイムスケジュールも明確だった。

帰りがけ、不安が解消され、少しホッとした。今週、もう1件相談して、最終決断しようと思う。


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