私のルーツの旅【母方の祖母編】その5
前回の調査では、地元の図書館での調査や旧土地台帳を取り寄せたりして戸籍で判明した最古の本籍地について調べていきました。また、両親にも話を聞き、本家筋にあたる家系の方にも連絡が取れる手段がないか聞いていきました。
今回は、文献調査の記録と本家筋の方の連絡先が判明し、先祖調査が一歩前進したところまでをお伝えしていきます。
調査段階の家系図を前に祖父母の事や家族の事を両親から聞くことができ、断片的な話ではあったものの改めてじっくり聞いてみたことがなかった為、とても新鮮でした。
ただ、先祖の生きた時代背景がわかると暮らしぶりや生活の一端をより垣間見ることができるかなと思い、更なる調査意欲を掻き立てられます。そこで、国立国会図書館と都立図書館で文献調査をすることにしました。
国会図書館ではデジタルコレクションといってインターネットを介して読むことができる書籍が今もなおどんどん追加されており、先祖調査も効率よく進めることができます。閉架式なのでお目当ての資料を探しだすにもひと工夫必要ですが、興味のある方は是非利用登録をしてみてくださいね。
一方、都立図書館は開架式です。開架式なので郷土史などを探していると、他にも面白そうな文献に出会えることもありますし、できるだけ現物にあたって調査したいという想いもありますので、私は開架式の方が利用しやすいですね。
文献調査では、生活史に注目し当時の庶民の暮らしぶりや災害などを見ていきました。光さんの先祖が住んでいた最古の本籍地(住所地)は小田原でしたので城下町ですね。江戸時代は火事や津波、地震など多くの災害に見舞われていたということもあり生活は楽ではなかったと伺えます。
町に住む町人は、領内の農民が年貢米を納めるように、地子銭(ジシセン)という税を納めていたそうです。その額は大したものではない一方、むしろその他の労役の義務の方が大変だったらしく、本人足役(ほんにんそくえき)を負担する町々では、松原神社の工事や祭りの際のお供であるとか、、用水の水門の番、藩の蔵米を船で運び出す際の応援や町奉行の屋敷の工事にも人夫としてかり出されたのだとか。
当時の資料から町人町に住んでいたことや、住んでいた通りの歴史から職業は鋳物師(いもじ)か、海が近いことから漁師である可能性も出てきました。戸籍の情報だけでなく町史を知る事でより当時の空気を感じることができますね。ただ、もう少し深掘りした内容も知りたかったので、やはり人からの口伝なども聴いてみたいと思いました。
そこで、近くに住んでいる親戚を両親に教えてもらい、早速話を聞きに行こうとしましたが、ご高齢ということもあったのか、あまり家のことについては覚えていないということでした。ざんねん。
先祖調査では、戸籍や文献を主に調べていきましたが、人からの調査は年齢の限界というものがありますので優先順位を上げていかなといけないと思い知らされました。昔の戸籍から本家についてもある程度把握することができましたが、光さんは本家筋の子孫ではないですし、両親に聞いても本家の連絡先は全く分からないということでした。
う~ん。行き詰りました。
なので、本家筋から情報を得るという調査方針を菩提寺を探すという調査に切り替えました。菩提寺がどこかということはある程度目星がついいていましたので、まずは手紙を書いて事情を伝えることにしました。
手紙を送って4,5日経過した位でしょうか。お寺に電話を入れたところご住職とお話ができ、快く話を聞かせてもらえることになりました。そして、菩提寺での調査が先祖調査の大きな進展のきっかっけとなったのです。
先祖調査では、菩提寺やお墓の調査というのは必須と言っても過言ではありません。個人情報の問題もあり、過去帳の閲覧は今はできないように通達がなされていますが、その寺のご住職とお話ししたり、町の様子やお寺の歴史を聞くことはできます。
また、過去帳の閲覧自体はできなくても、お願いベースではありますが、先祖の情報だけを抜き出してくれるところもありますので、こちらも相手が回答しやすいように準備をしていきます。
ご住職の話では、津波で古い過去帳は流されてしまったようです。ただ、戸籍以上のご先祖名を一代さかのぼることができました。また、本家筋の方が檀家になっているらしく、連絡先まで教えて頂けることに。
菩提寺でのご住職との話でお墓の所在、本家筋の連絡先、家紋を知ることができたのは本当に大きな収穫でした。菩提寺でのご住職との聞き取りや親戚からの情報収集は、優先順位を上げて調査方針を組んでいかないとせっかく得られるはずの情報を取りこぼしてしまう事があります。
先祖調査をされるときは、早めに菩提寺調査をするのがいいですね。
さて、こうして親戚への聞き取りが難航したなかで、菩提寺訪問をきっかけに私の先祖調査は大きく前進しそうです。さて、次回は、いよいよ本家筋の方に連絡した時のお話をしていきますね。
はたして、実際に会うことはできたのでしょうか。