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井伊直弼公好み薄茶器

直弼公{茶名 宗観}お好み、十二か月揃いの
薄茶器があります。いづれも花と鳥を組み合わせて
あります。

かの藤原定家の詠んだ、和歌の頃から定番化して来た
組み合わせです。江戸期に入ると様々な画家達が、
このテーマを描きました。
特に琳派の酒井抱一は、いくつもの十二か月図を
残しました、個人的には「出光美術館」蔵が好きです。

この薄茶器揃いは、八代の中村宗哲が作りました。
一年を半分に分け、半年ごとの対。四季の移り変わりに
つながり。五節句までも暗示的に取り入れた柄行です。

一月梅竹と鶯・大棗。二月桜と雉薬器。三月菫と雲雀
中棗。四月卯の花と時鳥面中次。五月橘と水鶏白粉解。
六月撫子と鵜金輪寺。七月女郎花と鵲下張棗。八月
萩と雁八角中次。九月薄と鶉平棗。十月残菊と鶴雪吹。
十一月枇杷と千鳥丸棗。十二月早梅と水鳥割蓋。

夫々薄茶器の形と塗の色を替えています。
但し旧暦なので、少し遅暮らせて八月分を今月使います。