満月十話 雪

病院から「祖母が亡くなった」と

知らせが入った時、ちらちら雪が

落ち始めていました。

遺体が自宅に帰った頃には、しんしんと

降っていました。悲しみの余り、ベッドに

入っても眠れません。雪は月光に照らされ、

息をのむ美しさです。ベランダに出て、

寒さも忘れて雪景色に見入りました。

月の丸味と、祖母の丸顔が重なり余計

涙が溢れました。