茶道具百話 刷毛目
どうした訳か?若い頃から無類の「刷毛目」
好きです。水指・茶碗・鉢・など、事焼物の
中では、刷毛目文様の品を数多く所持。
これだけ刷毛目好きだと「魅力は何ですか?」
良く聞かれます。やはり刷毛により作られる、
線の動きでしょうか。
それを見ると、沢山の銘が浮かびます。画像の
茶碗を稽古に使うと、流水・白波・白砂・白帆・
行雲・などの銘が出ました。点前の人により、感じ方が
違う筈です。それ故、このうねり・動きが銘を作り出す
のかも知れません。
恩師の稽古場で、刷毛目茶碗に先輩が{鴨川}と
銘されました。次にその茶碗を使った私が{五条}と
銘すると、皆々???な顔です。小声で{弁慶}呟くと、
あっ五条橋と分かってもらえました。師は「面白い着想」
大きな声で褒めて下さり、笑われました。