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茶道具百話 雲錦
仏事の取り合わせでの、稽古日です。
蓋置に、京焼き「雲錦透かし」を出しました。
「先生何で仏事取り合わせに、桜と紅葉が?」(先輩達に聞いて下さい。もう耳にタコヤキ位、教えてあるから)
しーんと静まり、声が聞こえません。
(まったく口をリンゴスにして、説明したのに。桜は何・紅葉は何の表現?
まずそこから)
「はい、桜が雲で紅葉が錦です」
(それでは、どうしてその雲錦が!)
又々沈黙~(春から秋へ、秋から春への、時の流れの表現です。幾春秋と言う、言葉思い出した?)
(ですから仏事の取り合わせだと、その方の春秋・共に過ごした歳月を思いながら使います。他にも時の表現に、大活躍します。新年・歳末・入学・卒業・あと年の祝い還暦・古稀などにもね)
こう話しながら、泉下の人々を懐かしく思い出しました。