新古今和歌集 歌合

新古今の名歌群より、個人的好みで歌を番えて行きます。
まず記念すべき第一回、一番好きな摂政太政大臣 藤原良経と左衛門督通光を合わせます。

二人とも後鳥羽院に愛された、歌人です。特に良経は新古今に79首入集、西行の94、慈円の91首についで、第三位。何れも名歌ばかり!
通光は17歳で取立てられ、琵琶・武芸と院と行動を共にしています。

「行く末は空もひとつの武蔵野に
草の原より出づる月影」良経
「武蔵野やゆけども秋のはてぞなき
いかなる風か末に吹くらむ」通光
どちらの歌も後鳥羽院の歌合わせへの
出品作です。

かたや月、もう一方は風に託していますが・・どちらも広大な武蔵野を、捉えています。
さて勝ちは、摂政にいたしましょう。

この歌を元にした様な「武蔵野屏風」が、サントリー美術館にあります。
一面横に広がる草の向こうに、大きな満月が描かれています。