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遠い旅

風炉最後の稽古に「シルクロードの絵茶碗」
を出しました。{風炉の旅は終わっても、未だ
先は長く炉の点前は難しいですよ!}こんな
言葉を添えました。

「先生良くこんな珍しい柄の茶碗、お持ちですね~」
{そうでしょう、これは昭和60年の御題「旅」の
年の品物。あの年は大当たりで、楽しいお題に因んだ
モノが沢山出ました。国内の旅ばかりで、これが一番
珍品と思って買いました}

「この茶碗、取り合わせが難しいのでは?」
{そう良く「大道透長安」の軸・今唐物の香合・トルコの
花入・イタリアの菓子鉢などと、使いました。}

{考えて見たらシルクロードはお茶の道と同様、遥かに
遠い旅と思い当たりました。15の年から57年も
勉強して来て、ようやく砂漠の中程まで来たかな?}

「だとすると我々は未だ中国からも出ていませんね」
{いや唐の領土はおろか、あの大きな長安の町からも
出ていないのでは・・}と笑いました。