わさび

濃茶が練り上がり、茶碗が出されました。古フクサを添えましたが、ここて
私がストップを掛けました。
(わの向きが、違いますよ)心の
中で(何度も注意した筈、いい加減
覚えてよ!)と呟きます。
一日に一人は、こんな人が出現
します。人によっては、細か過ぎると
思うかもしれません。
しかし約束事は、しっかり・きちんと
守って欲しいのです。
(私のわさびを、見てごらん)「えっ
わさびとは、何ですか?」
(私の美しい、わの扱いですよ。和・
寂・美・で、わさびねー)ここで爆笑
が起こりました。
「じゃ私達のは、何ですか?」ふん!
生意気な連中です。(はい、サビヌキ
ですね)即答です。
どんな見事な名物裂でも、向きが
逆だったら価値は半減です。