茶杓作り

今では手先の器用な方は、気軽に茶杓を削られます。茶道団体などでも、講師を招き茶杓作りをしています。

井口宗匠「14代家元弟君」の著書に、興味深い一文がありました。
裏千家では円能斎(13代)時代迄、自分で茶杓を削るにはお家元の許可が必要でした。

「茶杓を削るには、その形を家元へ届け許可を貰わねばならない」と円能斎は、仰せだった。更には玄々斎(11代)が業躰に与えた「茶杓的伝」の中で、特に念を押されている事があります。

それは「歴代家元の茶杓の形に、似ない様に削る」です。
その為お許しを頂くと、自分の削った茶杓一本を家元に納める事になっていた。 とあり、驚きました。

現代の様に、自由に作り使う時代ではなかったのです。