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叱られた花

恩師の助手として「三越文化センター」へ、
週二回通っていました。
五月のある日稽古場の床へ「白紫蘭」を
生けました。紫より少しばかり珍しく、
自分で育てた中でも自慢の花でした。

「大川君貴男は余程へそ曲がりなの?紫蘭
との名称なのだから、紫でしょう・・・」
呆れた様に私の顔を見て、仰せでした。

加えて「そう言えば、何でも白い花が好き
だったね。何か理由でも?」{はい心が純白は
さて置いて、白い花は重宝なんです。
生ける器・生ける花材・を選ばないで、大概
何でも似合いますから}

「成程それで白い花を、沢山育てていたのね。
ここの稽古場は道具等準備を全て任せてあるから、
文句は言わない事にしよう」とのウレシイお墨付きを
頂き、ますます白い花を生けました。