大きな

新物「あらもの」中心の茶道具店で、茶碗を
選んでいました。すると賑やかな声がして、
常連風の人が入って来ました。
椅子に座り大きな声で、店員と話しています。

同行の社中が「これに決めました」ある茶碗を
手にしました。{良いじゃない}私も頷きました。
それをカウンターへ持って行くと、くだんの常連
から「貴女伊羅保茶碗は、秋に使うのよ。未だ
初夏だから早いけど、大丈夫なの」

社中はそれを無視して、代金を払おうとしました。
「まったく今の若い人は、勉強が足りないから・・」
店内中に響き渡る様な声です。

{私この人を指導しています。この茶碗は有名な名物、
虹と言う品の写しなんですよ。ですから秋と言うより、
これから直ぐの方がね~。誤解が有るようですから、
一言申し上げます}

すると険しい表情で「貴方どこの誰?何流?誰の弟子?」
続けざまに聞いて来ました。
{その質問、まずご自分から名乗るべきでは?個人情報は
申し上げられません。またどこかのお茶会で、会えます
でしょう。ごきげんよう}と店を後にしました。
時々道具屋さんで出会う、大きなお世話さんでした。