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寄付きに

こちらも数年ぶりに「熨斗」を出して、

飾りました。ここ数年は炭を奉書でくるみ、

水引を掛けた物を使用。なので目先を変えて、

熨斗を・・・

これを出していて、恩師からの教えを思い出して

いました。その昔先生のお供で、さる数寄者の

初釜に参上しました。寄付きには豪華な蒔絵の

台に、立派な熨斗が飾られていました。

熨斗押えは、赤楽の宝珠でした。

本席に入られた師の第一声は「ご丁寧に御熨斗を

頂戴して、誠に有難うぞんじます」でした。

ご亭主は驚き喜ばれ「流石三田さん!」と上機嫌。

その後の席中は、大いに盛り上がりました。

帰途「熨斗が飾られて居たら、必ず挨拶を忘れない

様にしなさい」と仰せでした。

それ以後の長い茶道人生で、二回だけ御熨斗を頂きました。