新古今和歌集 夏歌

「郭公まだうちとけぬしのびねは

来ぬ人を待つわれのみぞ聞く」白河院御製

時鳥の初音を聞いたのは、未だ数日前の事

でした。本格的な鳴き声ではありません。

ほんの二、三羽が、鳴いているのでしょうか?

かすかなその声を聞き分けたのは、あの人を

待って眠れなかったからです。

私に聞こえた{忍び音}を、貴方もどこかで

聞かれたでしょうか?