足 一二本

恩師三田富子のお供で、世田谷区の有名な茶人に招かれました。
ご自宅の八畳間に通ると、長板の二つ置でした。左側にすっきりした朝鮮切合の風爐。江戸名越家初代弥五郎家昌の作と、聞きました。
隣は唐物青磁三つ足で、元は香炉らしき形です。

(先生、水指は二本足を前にしていました。三本足は、一つを手前が約束では?)帰路お尋ねしました。
「きっと風爐が一つ足で陽、水指が
二つ足で陰になさったのでしょう」

(あっそうなんですね!丁度火は陽・水は陰で、そちらも合っていますね)
「まあこの子は、気が利いた事をいうわね~」笑われました。

未だ十代の終わり頃だったので、道具の勉強を始めたばかりでした。