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渋く

名残の月なので、稽古道具も少しばかり
落ち着いた物を選びます。

やって来た茶友が「暗っぽい道具ね~」と
のたまいます。内心{この○○女め!}とは
思いつつ{暗いのではなくて、渋いんですよ}
薄笑いを浮かべました。

{水指は信楽とお分かりでしょ。じゃ仕覆の裂地
もご存じだね}反撃の一語を発しました。
「正倉院裂地系統は弱いの・・」言い訳がましく、
小声になりました。

{水指は色も有るけれど、私同様口が小さいの。
風炉の柄杓じゃないと、ギリギリのサイズなので
炉では使い難いから}

{水指と言え大小様々だから、やはり炉と風炉では、
使える品が変わって来る。我が社は実物主義で、
何でも見てもらい説明している}

{私が派手で華やかな人間だから、より渋い品に
魅かれるのかも?}一気呵成に言葉を続けました。