見出し画像

魯山人

百貨店美術部社員の頃です。
お得意様の御宅でお茶を頂いていると、
ご主人が「タバコ吸うから、君も遠慮なく
どうぞ」お手伝いさんに、灰皿を持って
来る様指示なさいました。

ご主人は綺麗な「柿右衛門」赤が目に飛び
込んで来ます。私には何やら信楽焼らしき
器が・・・

よく見ると{これは魯山人ですか?}「流石
良く勉強しているね。じゃもう一つ見せよう」
この菊型のお皿を、出されました。

「君ならここへ何を盛るかな?」{器が力強い
ので、却ってスッキリ綺麗な練り切りでは}
{あるいは意表をついて、カステラなどでも
面白そうです}

「それじゃ持って帰って、好きな物を盛りなさい」
こうして拝領した品物です。ただ正直な所、器が
ごっつくてお菓子を選んで使い難い~
まだ魯山人ブームが来る、はるか以前50年前位の
出来事です。