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俳句

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2021年12月の記事一覧

俳句 最後の夜

「我が星座 傾き始め 年明ける」

時が動く様に、少しづつ星も動いて

行くのです。こうして新しい年は、

始まります。

さあ12年に一度の、私の干支がやって来ます。

俳句 友人達

「大晦日 異国の友は どう過ごす」

さて海外に居る日本人の友達たち、

12月31日をどう過ごすのでしょう?

年越しパーティーの、賑やかな乾杯の

声が聞こえて来ます。

俳句 掃除

「年忘れ 全ての鏡 磨き上げ」

何時でも掃除の最初は、家じゅうの

鏡を綺麗にする所から始めます。

鏡が曇りなく美しくなると、映る物

全て・気持ち迄・輝いてくるようです。

俳句 千代田

「冬深し 皇居の堀の 内と外」

日比谷を歩いていると、流石に観光客の

姿も減りました。行き来するビジネスマンも

せわしなげです。のんびりしているのは、

お堀の白鳥や水鳥だけでしょう。

俳句 夜の・・

「埋火や 金糸の帯の 客二人」

ある年、近所に住む弟子を招いて

「年越し茶事風」を催しました。

貴重な体験と、喜んでくれた客は

金糸が灯りに浮かんでいました。

俳句 大掃除

「人形を 動かし戻し 煤払い」

少しづつ掃除を始めました。お気に入りの

御所人形のケース。大切に扱い、その場所を

綺麗にしました。人形も喜んでいるかの如く、

微笑みが増したようです。

俳句 寒空

「大声で 心の内を 冬空へ」

誰の姿も見えない河川敷き。

心の中身を大きな声で、空に吐き出しました。

スッキリして、帰りの星空はとても美しく

見えました。

俳句 慌しい・・・

「青信号 続くうれしさ 年の暮れ」

ラッキー 運転席の友人が、声をあげました。

見れば先の信号が全て、青になっています。

彼の弾んだ声に、一瞬年末の忙しさを忘れました。

俳句 庭の3

俳句 庭の3

「藪柑子 徳利にさし 食卓へ」

それは小さくて可愛い、藪柑子の枝を

頂きました。お気に入りの小さな徳利を

出して、それに生けました。

不調法で一滴もお酒は飲みませんが、こんな

時の為、いくつかの酒器を用意してあります。

俳句 庭の2

「枝も実も 揺らぐ万両 風強く」

一昨日から昨日迄、驚く程の風が

吹きました。タップリ実がついて、

頭の重い万両もしなる様に揺れました。

この時季、赤い実の物が目立ちます。

寒々とした光景の中の、救いですね。

俳句 大雪

「積もれ雪 心の扉 閉ざすほど」

予報より激しく雪が舞っています。

悩みを抱えた私には、つらいお天気です。

いっそ沢山降って「何もかも埋めて欲しい」

とさえ思う夜でした。

俳句 庭の

俳句 庭の

「庭園の 隅の千両 色を吐く」

立派なお庭を見学しました。

私は片隅で存在を主張している、赤い

実が沢山ついた枝に目が行きました。

俳句 料亭

「塗火桶 名料亭の 八畳間」

ある方から食事に招かれました。

名の有るお店です。待合らしき部屋に

通ると、螺鈿の火桶が置かれていました。

体だけではなく、目も暖かくなりました。

俳句 声

「風邪声は 父に似たると 母の言う」

兄の声は私が聞いても間違う程、父に

似ていました。私は違う声です。

それでも風邪をひいて少し低音になると、

父に似ている様でした。