ブラックジャック第一話を観てー現代に再びメスを入れるためにやってきた医者ー


ブラックジャックが刊行され、50年が過ぎた。
今、再びあの黒衣の天使は、歪んだ社会に疑問を投げかけるため蘇った。

まず目につくのは、琵琶丸の大幅なキャラ変更である。
最初に聴いた「一夜」の初印象は「クサイ」であった。
いかにも泣かす気なのかと身構えた私を横目に、話は進んでいく。
ケータイを使った演出がいい。現代向けにアレンジされたお話。
一話としては面白いと思った。
BJ(Black Jack)は、一見極悪な医師にも見える。少なくとも捉え所のない人間として描かれている。

後藤一馬の服役理由が不透明。なんらかの伏線か?と思った。また、啓介の存在理由も最初は不明であった。
後になって、啓介はBJの医療技術の素晴らしさの解説役の役割でもあるのだと気付く。
ゲストキャラを多数出すわけにはいかないから、この構成は納得が行く。
服役理由についてもしっかりしており、更に事件の舞台がバルボラ国と聞けば、手塚ファンはばるぼらを連想しニヤリだ。

ブラックジャックがクマを食べるのは、手塚先生が喜びそうだなと思った。

BJマッドサイエンティストみがありすぎる。
のらりくらりなBJである。
伏線回収があり、啓介がずいぶんといいキャラだねと思った。
「現実が漫画なんだよなぁ」
というセリフ。時事ネタすごい。漫画と現実をそこで繋いで行くのか。
これも、手塚先生は喜びそうだ。

少し不満を。
大事なセリフだが、「人間を活かしても殺しても金にする方法はいくらでもある」と言うようなセリフ。
いくらでもじゃなく、ゴマンとって言って欲しかった。
それに、セリフ自体にちょっと引っかかりがあった。
ニヒルな笑みを浮かべながら言うならともかく、こんなテンションであのBJが言うか?違和感がある。二話以降の伏線であってほしい。

ルッキズム、上級市民…現代病が詰まったエピソード。

ラスト三十分でBJというキャラがよくわかるようにできてる。すごい。
見えてるモノが全てじゃないと言うメッセージ。思わず熱くなった。

相変わらずキリコが女性な意味はよくわからないけど!
二話以降でわかるだろうか?

途中に出てきた琵琶丸はクサ過ぎたが、最後に出てくるのはいいなと思った。
キリコと琵琶丸が違うキャラなのは、現代に合わせるためなのだろう。
琵琶丸の歌は、手塚版BJへのメッセージな気もした。
昭和には戻れない。時は流れていく。
でも、受け継いだもの一つ。

老人ホームにダイヤ送るのはちょっと…
有効活用とは思えない。

令和BJ、一見昭和版よりムチャクチャなようでムチャクチャじゃなかった。

キリコなんとも、…違和感が…
セリフには違和感はないが、見た目が…
最後の問答は、良かった。

三話を上手く繋いで、下品過ぎない娯楽にした。
素晴らしいと思う。

製作陣に感謝と称賛を。

ここからどのエピソードが拾われて行くのかまだわからないが、きっと面白くなるだろう。


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