Beetle は甲虫(こうちゅう)であって、カブトムシではない(Japanese beetle マメコガネの話)
スイスで日本のカブトムシが問題になっているという。
MSN が配信した記事だ。
嘘っぽいので無視していたが、いつまでもおすすめに表示されるので、読んでみた。
スイス在住20年目の人が8月23日に書いた記事。
スイスで日本のカブトムシが?
あのカブトムシがスイスで何か問題でも?
「Japankäfer (ドイツ語 / 日本のカブトムシ)」と書いてあった。
"Japankäfer" を翻訳すると、豆黄金と出た。
個人的には、和名はカタカナで表記するポリシーなので、マメコガネと書く。
(ドイツ語 / 日本のカブトムシ)は、記事を書いた人が、日本人の理解を助けるために書いたものと想像する。
しかし、Japankäfer はマメコガネであって、日本のカブトムシではない。
翻訳するときに、知っている単語が合体しただけと考えて日本語にしてしまうと、たまにこのような誤訳を生み出すことになるのだ。翻訳の落とし穴と言っても良いかもしれない。
Japan (日本)+ käfer(甲虫)=日本のカブトムシとしてはダメ。
Japankäfer をきちんと調べれば、マメコガネと出てくるはず。
元記事にはマメコガネの写真が載っていなかったのだろうかと、疑問に思った。日本のカブトムシはほとんどの日本人は知っていると思うので、写真を見たらそれがカブトムシではないと気づいただろうに。
自分は、つい先日、読んだ記事で Japanese beetle がマメコガネであることは知っていた。
こちら↓の記事だったかな。
「Japanではそんなに有名じゃない」と言っているけど、自分の中ではどこにでもいる虫だと思っている。
マメコガネは日本を代表する甲虫ということなんだな。
それにしても、甲虫をなぜカブトムシとしてしまうのだろうか。
ドイツ語で käfer、英語では beetle。
対応する日本語は、甲虫。辞書にそう書いてある。
調べると、甲虫は、こうちゅうでありカブトムシでもあるらしかった。
一つの単語が複数の意味を持つケース。同じ漢字で読みを変えると意味が違う。
誤解の元だ。
漢字のことなら中国だ。DeepL翻訳で調べる。
甲虫は、中国語では甲虫類と出た。
カブトムシは、犀甲虫。犀はあの哺乳類のサイ🦏である。
日本でも、犀甲虫にしたら良いではないか。
自分は、犀という漢字を書けないが、カタカナで書くから問題ない。
なんで、カブトムシに甲虫という漢字を当てたのかちょっと調べてみたが、わからなかった。
日本国内で外来種が色々と問題になっているが、逆に日本から海外に行って問題になっている種で、知らないやつもあるってことだな。
カナダから
これは、10年前の話。
「Japanese Beetleは最悪だ!」と言われたとのこと。会社での会話と思われる。
この人もビートルがカブトムシの仲間を言うと思っているようだ。
一体、誰にそんなことを教わったのか。
まあ、「仲間」の定義は難しいところだが。
大体、メディアが大した意味もなく、何々の仲間というときは、同じ「科」に属しているという意味であることが多いように思う。
よく「その仲間であるという説明に、何の意味があるの?」って心の中でツッコミを入れている。
この人が記事を書いたころ、10年前には、すでに北アメリカに広がっていたということだな。
知らなかったぞ。誰か教えてくれよ。
いや、日本人、皆、よその国の農業被害のことなんか興味がないのだろう。
さて、冒頭の記事の現場、スイスはどうか。
ジェトロの記事
何を言っているのかわからないが、これが 2020年3月27日の話。
マメコガネがチューリッヒ近郊で繁殖しているという話
(記事ではチューリヒとなっているが、自分はチューリッヒと覚えている)
今年、2023年、スイス連邦政府が注意を呼びかけているということがニュースになったようだ。
外来種の問題は難しい。
t.koba
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