ルーマニアを知るための書籍
これまでは歴史の苦手意識から避けてきたが、ルーマニア再訪というせっかくの貴重な機会なのでルーマニアの歴史や文化を勉強している。
ティミショアラはチャオシェスク政権が崩壊したルーマニア革命の発端となった町。
こういう歴史に関する文章は読んでいても文字が頭を素通りしてしまうのだが、今はありがたいことにYouTubeで当時の状況をわかりやすく説明している動画や、当時の様子のニュース映像などをみることができる。映像であれば、文章よりもとっつきやすい。もちろん全部は鵜呑みにできないし、かなり偏った動画もある。当時の時代も考慮しながら見なくてはならないけれど、それらをさっぴいても随分と資料にあたりやすい。
動画の他、最近読んでいるルーマニアに関する本を載せておく。
1960年代、チェコスロバキア「在プラハ・ソビエト学校」に通った著者のノンフィクションエッセイ。
当時のクラスメイトとのやりとりと、数十年後クラスメイトを探し尋ねたときのエピソードが描かれている。
かなり特殊な家庭の子たちが集まっている学校と思われるが、そこで著者が目の当たりにした、また経験した各国の子どもたちの愛国心であったり政治的な主張は、日本でのほほんと生活してきた私にとってはとても興味深い。また大人になってクラスメイトと再会した時には著者の年代も国の政治体制も大きく変わり、子どもの頃に見えていた景色に新たな気づきがある。この学校に通う子たちの家庭はみな裕福そうに描かれているが、その家族は政治的立場や人種から亡命していたり、決して平穏ではない生活を潜り抜けて生きている。タイトルにもなっている「嘘つきアーニャと真っ赤な真実」のアーニャがルーマニア人で、本書の第2章にあたる。
子どもがワクワクして聞く話というよりはちょっと怖めの話が多い。
黄泉の国と現世を行き来したり、恐ろしい試練が与えられたり、時間の流れが歪んでいたり。竹取物語や浦島太郎と似ている話もあるのだけど、なんとなく暗くて後味の悪い話が多いのだ。
よくよく考えてみるとグリム童話も日本の昔話もアレンジされているから子どもたちに平和に読み聞かせ出来るけど、もとは結構悪い話も多い(おじいさんがおばあさんを食べてしまうカチカチ山はトラウマ級)。
だからこの薄気味の悪さはルーマニアの民話に限ったことではないのかもしれない。ルーマニアに行ったら、一番ポピュラーな昔話、日本で言ったら桃太郎のような物語は何かルーマニア人に尋ねてみようと思う。
2007年、ルーマニアで単身インターンシップをした方の体験記。私の留学していた時期と近いこともあってか、懐かしい空気を感じた。
ステレオタイプな表現にはなってしまうが、日本人の性質とルーマニア人の性質の違いから感じる苦労には、「ルーマニアあるある」が溢れている。
時間が経ってみれば、私が留学中に苦労と感じていたことは、良い経験だったし、思うようにいかない状況に対して怒ったり悲しんだりするのではんくてもっと状況を楽しんだりポジティブに取り組むこともできたんじゃないかと思う。今度のティミショアラのプログラムでは、そのあたりをうまくやっていきたい。
この本とDuilingoでルーマニア語を詰め込みなおしている。
文法は、フランス語、スペイン語などラテン系の言語はどれも似ているらしいので、一個でもかじったことがある人は理解しやすいのではないかと思う。
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