見出し画像

欧州文化首都VP11日目 セレモニー初日の活動と郵便局

ボランティアプログラム11日目。
欧州文化首都のオープニングセレモニー初日だ。
昨日と同様にホテルでのインフォセンターに入る。引き続きゲストは多くなく、まったりモード。今日も一緒にシフトに入ったルーマニア人の学生とお喋りをして過ごした。

実家の写真を見せてとお願いすると、地元の写真、過去に旅行したところなどの写真などを見せながら2時間近く話続けてくれた。

彼女のおかげで暇を感じずに過ごすことができた。
見せてくれた写真はどれも広大な自然を感じる景色で、人工的な芸術祭がいくら頑張ってもかなわないような気がするほどだった。

余談だがルーマニア人は本当に話好きだと思う。昔と変わらず歩きながらも電話をしている人が多い。変わったこと言えば、ブルートゥースイヤホンになったことくらいだろうか。道端で一人芝居でもしてるのかと思いびっくりする。

彼女との会話で興味深かったことと言えば、アジアの日本、韓国、中国の話となったとき。
ルーマニアは民主化して33年ちょっと経つけれど、20歳の子がいまだに共産主義時代の影響を感じると言っていた。だから中国への旅行は少しためらうらしい。

私には、日本アズNo1の時代は終わりかけていて、ヨーロッパの人たちの憧れは韓国にうつっているように見えている。
ルーマニアでもドラゴンボールやセーラームーンの人気と知名度は絶大で、だからこそ韓国が国をあげて音楽や漫画などの産業に力を入れているのは日本のサブカル産業にとっては脅威なんじゃないか。そんな風に考えていたが、彼女曰く「いまだに富士山はみんなの憧れの場所だし、アジアを旅行をするなら私は他の国ではなくて日本に行きたい」と言われた。
だからと言って、やっぱり日本はクールな国なんだ!とただただ自惚れる気にはなれない。彼女はたくさんいるルーマニア人のうちの一人でしかないし、そもそも自分の住んでいる国が褒められて嬉しいこの感覚って何なのだろう。
それでももし日本に興味を持って遠くからはるばる来てくれる人がいるのならば、優しくもてなして満足して欲しいし、その時初めて自惚れても良いかな。

午前のシフトが終わって休憩時間。
近くにあるはずの展示会場を尋ねてみたが残念ながら見つけられなかった。

道中の郵便局で書き溜めたポストカードを出す。何かの間違いなのか、エアメールの料金が予想の3倍くらい高くてびっくりした。以前は1通4レイ(120円)くらいだった気がするのだけど1通12レイした。
でも、日本やフランス、スウェーデンに想いを馳せながら葉書を書く時間は楽しかったのでプライスレス。登録してくれた皆さんに感謝だ。今回は無事に皆届きますように。
郵便局の2階で郵便に関する展示があったようなのだけど、入ってみることはできなかった。残念。

郵便局の外観、工事中だった
窓口はたくさんあるのにスタッフの人数は少ない

休憩明けまで時間があったので、近くにあったBanatミュージアムにいってみた。入口を含めて3部屋しかない小さめのスペースで軍服が展示されていた。
軍服を着たガイドが1着1着丁寧に服の特徴を解説してくれた。
丁寧すぎて早く帰りたくなったのだけど、あと5分くらいで帰ろうかなといっても「もし時間があればこちらも簡単に説明しましょう」と言って帰らせてもらえない。解説はとても面白かったのだけど。

夕方からはステージでコンサートが始まる。その交通整理にあたることになっていた。しかし混雑はなかったため、仕事もなく端のほうでコンサートを楽しんでシフトの時間が終了した。

みんながつかれていたので、マネージメント側が気を使ってシフトの時間をなるべく短く組んでくれたという事情もあるのだけど、意気込んできた割には特にすることがなくて拍子抜けをした。



私はこういう経験も含めて、このボランティアプログラムだと思っている。なのでこういう状況すら面白いし、どれだけ良い状態をキープできるか試されている、修行の場だと感じている。
だけど、他のメンバーや立場の人と話していると私のような人ばかりではない。時間をやりくりしてボランティアに来ている人もいる。そういう人は待機や作業のやり直しを時間の無駄と感じることもあるみたい。よく考えたら当然なのだけど、暇人の私にはそんな発想はなかったので聞いた時にはびっくりしてしまった。

初日のメインステージの様子

「無駄には感じるけど、でもまぁいいのよ」と流せるルーマニアの人はすごい。結局、無駄と感じてその時間をイライラ過ごすだけなら良いことないもんね。こういうおおらかさは見習いたい。
そういえばオフィスにいても、ハードワークに疲れた顔をしている人はたまにいても、あからさまにイライラしている人はみない。なんと言えばいいのか、皆良い顔をしているし楽しんでいる。人間が人間の顔をしている、充実した人生を送っている表情をしている。
こういう姿を見て日本を思い返すと、日本の自殺率が高いのは納得してしまう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?