囀る鳥は羽ばたかない 竜崎と七原
(タイトル画像)https://www.irasutoya.com/
ヨネダコウさんの漫画『囀る鳥は羽ばたかない』。
矢代のよき理解者、竜崎と七原について書きます。
竜崎について
矢代の弱さに気づいているのが竜崎だ。
「矢代を殺れ」と平田に命令されて悩む竜崎が、矢代と出会った頃のことを思い出す。その回想シーンがとてもいい。
暑い夏の昼下がり。
雑居ビルの2階辺りにある殺風景な雀荘。
大勢で散々“遊んだ”後の部屋には、若き矢代(19)と竜崎(21)の2人だけ。
矢代の答えを聞いた後の、竜崎の真面目な顔が、すごく好きだ。
いたわりたい気持ちがあるけれど、同情は相手を傷付けるとわかっているので抑えている。
でもやっぱり心の中では、「『もういい』なんて言うな」とつぶやいている。
そんな表情に見えた。
命令に背き、捕らえられた竜崎は、平田から、「まさかこんなに矢代に情があるとはな」と言われる。
このシーンは緊張感があった。
平田の台詞に納得してしまう部分もあったので、竜崎がどう出るのかハラハラした。
竜崎の答えは、
竜崎が矢代を想う気持ちは、惚れた腫れたとはまた違うんだろうな。
矢代の画策で、竜崎は平田から逃れる代わりに逮捕される。
連行前に矢代と話す竜崎。
「情」にもいろいろある。
こんなふうに大切に思われている矢代が、すごくうらやましい。
七原について
七原は、『囀る』一(さえずるいち)、いい男だ。
七原が矢代の下につく前のエピソード。
慕っていた人間に騙され、捕らえられ、ボコボコにされた七原に矢代が問いかける。
「助けて」と言えない矢代と、それを言った七原。
でも最終的には七原も強がるわけで。
矢代が七原を側に置く気持ちが、なんとなくわかる。
七原のいい奴ぶりがうかがえる描写は、
「女の頼み事ひとつ守れねぇなんてカッコ悪ィ」とか、
「人助けしに来たんじゃねぇだろーが」とか、
それはもう多過ぎるので割愛。
桜一家にて、綱川から百目鬼のことを聞かれた矢代の答え。
思った。(笑)
ただ、七原は強い男だから大丈夫だと、きっと矢代は安心しているのだろう。
七原は「頭よくないキャラ」だが、そのわりに、周りの人達のことをとてもよくわかっている。
矢代のことはもちろん、竜崎の矢代に対する想いも、ちゃんと理解していそうだ。
人が好きなのかな?
屈折していないので、見ていて安心する。
こういう人に惚れたら、幸せになれそうだ。
すっかり変わってしまった百目鬼について、七原が杉本に心境をもらす。
わかるー。
これからも矢代と百目鬼のことをよろしく頼みます。
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