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彼女は乙女のようだ。しかし、驚くべきことに彼女はライオンを手に取り自在にコントロールしているではないか!

まさにこれは奇蹟である。しかもライオンの大きさとの対比から彼女はとても大きいことが見て取れる。よく見ると足の指の数が6本ある。そう知る人ぞ知る巨人族なのである。

このタロットの名前は「力」であるが、実はこの女性はライオンをコントロールするために一切力を入れていないと言われている。まるで合気道のように力を込めずして力を発揮しているのだ。

つまり単なる物理的な力を超越したエネルギーの使い手と言えよう。動き回ることなく、じっと丹田にエネルギーを溜めて解放する古武道のような叡智をもマルセイユタロットは知っていたことになる。

大アルカナは全部で22枚ある。力は11という数字を与えられている。22の半分。つまり中心となるカードなのだ。それはタロットマンダラと言われる伝統的な方法でカードを並べてもよくわかる。

台風はとても大きなパワーがあるが、台風の目と言われる中心は風のない穏やかな部分であると言われている。つまり力が入っていないということだ。そこが奇蹟を生み出す源となる。

11は1が2つ並べられたものであるので、手品師との関連性も見て取れる。共通点としては、どちらも若い男女である点と、被っているその帽子である。

この帽子の形は無限記号、レムニスケートを意味する。レムニスケートは永遠の象徴である。永遠に続くかのようなエネルギッシュさがその若々しさに込められている。

奇蹟を起こすためのもう1つの秘密は、奇跡を信じる若々しさである。経験を積むたびに、年齢を重ねる程に、奇蹟は起きないものだと信じてしまう。信じれば信じるほどそれは現実となるのである。

このライオンを乙女は素手で掴んでいる。ギリシャ神話でヘラクレスがライオンと格闘したとき、持っている武器では歯が立たず最終的には、その腕で締め上げて勝利したという。

武器のような外付けの道具ではなく、内から湧き出るエネルギーに勝るものはないという教えもこのカードには込められているのかもしれない。

力を超えた力をコントロール出来たときに、奇跡は起こる。奇蹟を起きるものではなく起こすことしか出来ない。奇蹟を起こすソースは自分の中心にあるのだ。

永遠に循環し続けるパワーは無限の力となり、どんな困難をも動かすことが出来る。

自分の中心を信じよう。太陽のような輝きがそこにはある。

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