今の日本競馬や海外競馬を血統面から理解するために、自分用に競走馬の父系血統図を作ってみたので、データベースとして公開してみます。
2022/12/18 ver.β 未入力の部分あり
前置き
これから説明する事は筆者独自の見解なので、他の記事や解説と齟齬があるかもしれないが気にしないでほしい。
血統図とは・・・競走馬の古来からの血統を可視化したもの(≒家系図)
今回取り上げるのはサイアーライン(父方の血統)のみ
そもそも系図を作る/見る意味については
ここでも少し触れているが、国によって流行りの血統が異なってくる。
もちろん競走馬によって個体差はあるが、この血統にはこういう特徴や傾向があるということを把握しておくと、より競馬を楽しく広い視野で見られるのだ。
(なお、こんなこと書いてる筆者は結局パドックと騎手で馬券を選ぶ)
図を見ただけでは血統の特徴は計れないが、所謂「欧州型」か「米国型」の区分はある程度可視化される。
競馬市場は大別すると欧州、北米、日本、豪州、南米、アフリカで分かれており、うち南米とアフリカの競馬はほぼお目にかかることがないため、前の4つを理解しておけばいい。
中でも欧州と米国の種牡馬の血統支配率(血統の世界シェア的なやつ)が凄まじいため、広い目で見れば競走馬のタイプは欧州型と米国型で二分される。
これは分かりやすく言うと「スタミナ型」と「スピード型」。
欧州型・・・スタミナとパワーがあり、ある程度馬場が悪くてもこなせる馬が多い。底力がある。(サドラーズウェルズ系など)
米国型・・・加速力とスピードの持続力に長けており、トップスピードがとても速い。よく手入れされた馬場やスピードの出る馬場で真価を発揮する。(ストームキャット系など)
日本は米国型に近いが瞬発力勝負が要求される中長距離戦も多いため、父は米国型、母が欧州型または母父がステイヤー寄りの馬も多い。(例:タイトルホルダー)
主流血統について
三大始祖はダーレーアラビアン、ゴドルフィンアラビアン、バイアリータークの3頭がいるが、うちダーレーアラビアンの子孫、エクリプスの直系子孫だけが繁栄し続けている状況。
そのエクリプス系の中でも主流血統が4つある。
ノーザンダンサー系
最大勢力。欧州ではサドラーズウェルズとダンジグ、北米と日本ではストームキャット、豪州ではダンジグやデインヒルの直系子孫が主流。
世界のどの競馬場でも直系子孫が走っている。
ネイティヴダンサー系
主に米国で主流の血統。大種牡馬ミスタープロスペクターの後継馬が活躍しているためミスタープロスペクター系とも呼ばれる。基本的にダートで強いが、日本ではキングマンボ系、欧州ではドバウィ産駒が芝で活躍している。
ターントゥ系
主に日本の主流血統。ターントゥの産駒ヘイルトゥリーズンの直系子孫が主のためヘイルトゥリーズン系、またはその子孫のサンデーサイレンス系、ロベルト系として扱われることも多い。サンデーサイレンス系は気性が荒いがスピードの出る芝(日本やドバイ、香港など)の上では驚異的な強さを発揮し、ロベルト系はパワーがあるため、欧州で活躍できる馬もいる。
ナスルーラ系
今の日本競馬から見れば「その他」に属する系統。国内では直系ではなく母の父で活躍する種牡馬が多い。
とはいえ地方ダートではエーピーインディ系の種牡馬たちが大活躍しており、ゴールドアリュール(サンデーサイレンス系)、キングカメハメハ(キングマンボ系)と競合している。
図の見方
▲三大始祖
○リーディングサイアー
〇リーディングサイアーに3回以上輝いた馬
◎リーディングサイアーに5回以上輝いた馬(スーパーサイアー)
リーディングサイアーの対象はパート1国全て
1つの国のリーディングになった時点で1と換算
(英国🇬🇧と愛国🇮🇪だけ2つで1つ)
◆JRA顕彰馬、海外競馬殿堂入り(米/加/英/豪/新)
◇各国の年度代表馬
✦NARグランプリ特別表彰馬(地方競馬版顕彰馬)
✧NARグランプリダートグレード競走特別賞(交流重賞版年度代表馬)
🇺🇸🇬🇧🇫🇷🇯🇵🇮🇪🇦🇺🇭🇰🇦🇪🇩🇪🇳🇿🇨🇦🇧🇷🇿🇦🇨🇱
馬の所属国(一部省略してます)
*引退後種牡馬や繁殖牝馬として日本に輸入された外国馬。*の馬の産駒は国旗が省略されてれば日本馬
(セ)セン馬。去勢された牡馬
(牝)牝馬。産駒を産んでも父系図には反映されない
①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩
G1・JpnI、香港など一部パート1国の国内G1勝利数
❶❷❸❹❺❻❼❽❾❿
G1、JpnI勝利数(現役馬)
▶️タップするとレース映像に飛べる(更新中)
スマホだと長押しして開いた方がアプリに飛ばされずにストレス無く見られます
📑タップすると戦績がわかるページに飛べる(準備中)
※種牡馬としてリーディング上位にランクイン、繁殖牝馬として世代トップクラスのG1馬を輩出するなど優秀な繁殖成績を残した馬、競走馬として極めて優秀な成績を残した馬は太字表記(要するにほぼ全部太字)
表記例
サンデーサイレンスが親
子のフジキセキからカネヒキリ、サンクラシーク
同じく子のスペシャルウィークからシーザリオ、リーチザクラウン、リーチザクラウンからクラウンプライドが生まれた場合
親→ ◆🇺🇸*サンデーサイレンス
子→ ├フジキセキ①
孫→ │├カネヒキリ⑦
孫→ │├◇🇿🇦サンクラシーク(牝)④
子→ └スペシャルウィーク④
孫→ ├シーザリオ(牝)②
孫→ └リーチザクラウン
ひ孫→ └クラウンプライド
同じような感じで牝系(母の母の母の…)を表したものもあるが、この記事は父系のみ取り扱う
取り上げる馬
・顕彰馬(アングロアラブを除く)
・日本で多大なる活躍を収めた馬(特にヒーロー列伝に採用された馬など)
・ウマ娘になった馬
・著名な海外馬(JRA-VAN Ver.Worldの伝説の名馬のページで紹介されている名馬や、筆者が選ぶ最近活躍している馬が中心)
・20世紀以降の馬で、“今の”日本競馬、海外競馬を知る上で重要な存在だと判断した馬(随時更新)
エクリプス系
範囲が広すぎるのでそのまま書き出すと途方もない文量になるため、大部分を省略しています。
主な種牡馬⋯プリンスローズ、ヒンドスタン、リボー、ハイペリオン、トウルヌソル、チャイナロック
ノーザンダンサー系
主な種牡馬⋯ニジンスキー、ノーザンテースト、ヴァイスリージェント、リファール、ダンジグ、デインヒル、ヌレイエフ、ストームキャット、サドラーズウェルズ、ガリレオ
ネイティヴダンサー系
主な種牡馬⋯ミスタープロスペクター、アンブライドルズソング、エンドスウィープ、ドバウィ、キングマンボ、キングカメハメハ、スマートストライク
ターントゥ系
主な種牡馬⋯サーアイヴァー、サンデーサイレンス、ステイゴールド、ゴールドアリュール、ハーツクライ、ディープインパクト、シンボリクリスエス、グラスワンダー、ブライアンズタイム、レッドランサム
ナスルーラ系
主な種牡馬⋯フォルティノ、トニービン、テスコボーイ、ボールドルーラー、エーピーインディ、ブラッシンググルーム、ミルリーフ
ヘロド系
マッチェム系