気付いた時の絶望

無数の光に囲まれた街角

見慣れた風景の中、

自分の居場所を探すように歩いた。


賑わう人混み、響く笑い声

いつもと同じ、はずだった。

けれど、何かが違う。

何かが足りない。

この胸に空いた穴を埋めるものは

どこにも見当たらない。


ふと足を止めた時、

時間だけが進んでいたことに気づく。

誰も、何も変わらず

ただ自分だけが取り残されているような、

そんな感覚が押し寄せてくる。


あの日々の輝きはどこへ消えたのだろう。

振り返れば、そこには

かつて共に笑った仲間もいない。

約束した未来も、

もう誰かの手の中で形を変えている。


現実に押しつぶされるような、

重い重い絶望感。

何度も見慣れた景色が、

何も感じられないモノクロームに変わる。


答えを探して、

必死に手を伸ばしても

虚空を掴むだけ。

そして、悟る。

自分が求めていたものは、

もう手の届かない場所にあるのだと。


過ぎ去った時間は戻らない。

取り返しのつかない選択肢の中、

ただ自分が選んだ道を歩き続けるしかない。

光が消えた世界で、

迷いながら、

それでも前へと歩いていく。


気付いた時の絶望は、

いつだって静かに、

でも確かに、

心の奥に爪痕を残していくのだ。



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