沈黙を破る夜、微かなトキメキの足音

気分がどんよりした一週間だった。

何をしても心が晴れない。まるで鉛のように重たい気分が、心にのしかかっている。

朝が来て、仕事に向かい、帰宅してまた夜を迎える。

同じルーティンを繰り返しても、何かが足りない、何かが空虚だ。


そんな日々の中で、僕を救ってくれたのは、ラジオだった。

特に、あの芸人さんたちの深夜のトーク。

夜更けに響く、軽妙な掛け合い、テンポの良いボケとツッコミ。

さりげない笑いの中にある温かさが、静かに、けれど確実に、僕の気分を引き上げていく。


彼らは本当にすごい。普通の人だったらスルーするような日常の些細な出来事を、

特別なものに変えてしまう。

一見何でもない話なのに、気づけば笑っている自分がいる。

その瞬間だけは、何もかも忘れて笑顔がこぼれる。


彼らは一方的に話しているだけなのに、まるで僕の隣に座って、一緒に話してくれているような気がする。

夜中の静けさの中で、彼らの言葉が流れ込んでくると、

この退屈で平凡な日々も、ほんの少し色を持ち始める。

心がぽかぽかと温かくなる。


「何かが始まる音がする」なんて大げさかもしれないけど、

それでも、確かに何かが変わりつつある気がする。

この笑いの連鎖、そして少しずつ生まれてくる心のトキメキ。

それがどこに向かうのかはまだ分からない。


でも、この微かな希望を抱きしめて、

次の一週間もまた歩み出せる気がするんだ。

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