という名言があるとされている。
しかもチェーホフの名言ということになっている。
https://x.com/DoujiMishima/status/1611539725604753409?s=20
本当か?
調べたところ、これはワーニャ伯父さんのセリフらしい。
え?マジ?
というわけで手持ちの本(kindle)で確かめてみると。
たしかにそれっぽい台詞があるが、友達と親友の順番が逆だ。
一例ではアレなので、他の訳も調べてみる。
俗説では、親友→恋人→友達 だが、
和訳版では 友達→恋人→親友 である。
ロシア語版(原文)ではどうなのか。
こちらのやりとりの該当部分をDeepLにかけてみると
となった。
和訳の表現が異なるが、とにかく
まずは「приятель」(プリヤーテリ)
次に「любовница」(リュボーヴニツァ)
そして「друг」(ドルーク)の順番に関係が変わる
と書かれているらしい。
こちらの記事には「приятель」(プリヤーテリ)と「друг」(ドルーク)のニュアンスの違いが母語話者によって書かれているので参考にした。
というわけで、
ドルークは日本語だと「親友」
プリヤーテリは日本語だと「友達」
くらいの意味に相当するだろう。
訳語はどうあれ、親密度は
ドルーク > プリヤーテリ
で間違いない。
というわけで、俗説の名言
「女が男の友達になる順序は決まっている。まず最初が親友、次が恋人、最後にやっとただの友だちになるということだ」
は明らかな誤訳だと分かった。
では、なぜ。
正確な訳出である
友達→恋人→親友
ではなく、
親友→恋人→友達
の方が世の中に溢れてしまうのはなぜだろう。
わからない。
馬鹿の考えることはわからない。
補足
夏目漱石が言ったことになっているアレも俗説だし、自分で出典の文献を知らない言葉を引用するのはやめよう。