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ウマ娘劇場版 感想

素晴らしい作品をありがとう!

今の自分にぴったりな作品だった。見てよかった

序盤、ポッケがフジキセキの走りを見て心打たれる。そして自らトレセン学園に入学してフジ先輩に挨拶をする。

映画のOPを見ているだけで涙が出た。

誰かに憧れて同じ道を歩むなんて俺にはできない気がする。
多分いつもの自分は憧れに走り出す前に諦めているから、俺の代わりに行動してくれたジャングルポケットに涙が出たのかな

映画でウマ娘の本懐は走ることなんだなって俺は感じた。
人間の俺とは違うなって思った。俺が生まれたことに意味なんてないし、本懐とかやるべきこととかもない。
俺はウマ娘が競馬を元にしたキャラクターであることを知っているから、彼女たちは走りやレースで魂が輝くんだなって素直に思える。尊いことだけど羨ましく感じる。
俺が何かに突き動かされている時は、それが俺の本懐なのか自分の魂を燃やすものなのか分からない。ただの承認欲求なんじゃないかって自分を疑って、自分で自分の歩みを止めてしまうこともある。他人に褒められたいだけなんじゃないかって。

ウマ娘たちもレースで勝って褒められたら嬉しいと思う。でも彼女たちはレースの最中でだって魂を輝かせることができている気がする。たとえ負けたとしても輝かせる、自分の魂を燃やせる。

映画のジャパンカップでジャングルポケットはレース中に自分の幻を打ち破ることができた。魂が輝いた瞬間だった。レース結果は1着で素晴らしいものだが、たとえ1着じゃないくても俺は感動したとおもう。
だってジャングルポケットが自分の幻を壊した時、最高だったもん。
タキオンも走り出した時、彼女もジャングルポケットの魂の輝きに魅せられて、自らの魂が燃えることを実感したんじゃないかって映画見ていて感じた。

俺も音楽をきいていると歌いたくなったり、踊りたくなったり、走り出したくなったりする時がある。
タキオンたちウマ娘はそういう俺が感じる衝動以上に強いインパクトで魂を揺さぶられているんだと思う。彼女たちはどれほど強い感動をレースで、走りで覚えるんだろうか。人間の僕には計り知れないところだ。

ただ幸い、走り出したくなる気持ちは分かる。テンションが上がる音楽を聴いている時、青空の中まっすぐな長い道を歩いている時、風を切って走り出したくなる時がある。走っている時の体全身を力の限り動かすのは本当に自分を感じる。確かに疲れるし、ランニングが好きなわけじゃないけど、自分の体の躍動を感じる瞬間はとても好きだ。ウマ娘たちもそんな気持ちなんじゃないかって、勝手に思っている。

ただ、たまにしかランニングをしない自分でも不安に思うことがある。数十年後の老いた自分は全力疾走できるのかという疑問。体を全力で使いたい瞬間が舞い降りた時、もうまともに走れなくなっているんじゃないかって。風も切れない、若い頃よりも遅い自分が全力疾走して自分の体の躍動を感じることができのかって、不安に思うことがある。さすがに不安症すぎる気もするけど、老いへの恐怖の1つなのかもしれない。

今回の映画で勝負服を着てジャングルポケットと並走したフジキセキは全盛期の自分の幻想を壊そうと走り出した。感動した。全盛を過ぎても走りたいという欲求を無視せず、走り出した。衰えてしまった自分、怪我をしてしまった自分、色んな負の感情を置き去りにして走り出した彼女は魂が輝いてたと思う。

ジャングルポケットがフジキセキにパワーもらったのも当然だよな。感想書いている今でも思い出して涙出てきたわ。自分の憧れた人間が、自分の走りをみてまた走りたくなったって伝えてくれて、なおかつ言葉だけじゃなく、となりで魂燃やして走ってるんだから、ジャングルポケットの魂だって燃えますわ。もちろん俺の心も打たれた。

フジキセキと並走後のジャングルポケットは優しくなっている気がした。そのジャングルポケットを見て、彼女は自分と戦うんだなって思った。最初の頃のジャングルポケットは最強になりたいっていう言葉をレースで勝つっていう意味で使っていた気がする。でも日本ダービーで勝ってもタキオンの幻に魅せられて最強を確信できなかった。
幻って自分が作り出したものだなって思う。タキオンの走りを思い出すのも、フジキセキに走りに感度するのも、最強だって確信するのも、何もかも自分の心のような気がする。

自分が最強だって思っている頃の自分はわざわざ乗り越える必要がなかったけど、タキオンに勝てないと思ってしまったならそれは乗り越えたい自分になる。

他人と競うから最強だって確信するんじゃなくて、自分で俺が最強なんだって確信できたなら最高に心震える瞬間だ。

ジャングルポケットが映画の終盤に優しげなのはそういう理由なんじゃないかって思う。他人ではなく自分と闘い始めたんだと思う。

ウマ娘は走ることが本懐。ウマ娘は走りに自分の魂が溢れ出てくるし、その魂を他のウマ娘は感じることができる。彼女たちは互いにパワーを与え合っている。

ジャングルポケットが自分の幻を乗り越えようとする時、アグネスタキオンに並走をお願いしていた。彼女からパワーを貰いたかったんだと思う、多分。

でもタキオンは並走しなかった。それは逆にジャングルポケットの心を燃やす一助になったような気がする。走ることを止めてしまった友達がいるなら、ジャパンカップで最高の自分の走りを見せてやりたいって思うよ、だってウマ娘って走ることが本能なんだもん。

この映画、人耳族の俺も感動しました。
彼女たちが自らの幻と戦っていることに感動したのに、
俺が戦わないなんて嘘だよなあ。

俺もやってみたかったこと挑戦します。

ジャングルポケットにはとても力を貰いました。
ありがとうジャングルポケット。

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