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麒麟がくると私⑩

自分はハピエン派なんですが、そのルーツを思い出すために記憶を遡っていたところ、多分この作品では?というのを思い出した。「翔べイカロスの翼」という作品です。子供の頃テレビか何かで観たんですが、なんとも物悲しい話で、それでも主人公が懸命に生きていく中で起こる衝撃の展開。なんの予備知識もなく観ていたのでビックリして思わずなんも死なんでも…ってなったんですが、記憶のある範囲だとこの辺りだと思います。まあ実際は奥深い話というか、決してそのラストがダメというわけではないのですが、そういう事じゃないというか、これからなんじゃないんですか…って子供心に思ったんですよね。例えばバナナフィッシュも、原作スタートからのリアタイ拗らせオタクの端くれですが、あのラストは本当に納得しているんです。でも、もう1人の自分が泣いてるんです。分かっているけど…うん…ってやつです。

と、言うわけで(またか)、兄ちゃん、何で本能寺の変起きてしまったん…?なんですね。自分本気で「起こす必要なくね?」って思っていたんですよ。もっと心底ヒドい信長ならまあ謀反するわなって思えるんですが、どうしてもこの信長には思えなかった。というか謀反やめてという思いと、謀反する事が救いなのか…という思いがグルグル駆け巡っていましたね。

現実は時に残酷ですが、物語は作り手がいくらでも救う事ができるので、せめて物語くらいは救ってほしい、でもそうじゃない、納得のアンハッピーがあるのは分かっているんですけどね。バナナフィッシュのラストについては当時呆然となったものの、受け入れられないということはなく、お互いが想いあっているのが多分自分の支えになっていたと思います。

でも麒麟はまたこの時の感覚とは違いましたね。本当にアウアウなるだけです。未だに。
多分色んな感想の人がいて、あの信長じゃやられて当然という十兵衛派の方もいるとは思うんですが、多分そう思える方が楽なんじゃないかと思います。どっちも好きだからツラい…

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