アップアップガールズ(2)8人の偶然、あるいは必然 第8回 みんなを笑顔にする、世界一応援したくなる奇跡のアイドル・鍛治島彩

鍛治島彩

アップアップガールズ(2)初心者や、ちょっとだけ気になっているというようなみなさんに贈る、アプガ(2)メンバー紹介連載も今回で最終回。最後に取りあげるのは、まさに彼女こそが、夢を諦めずに上へ上へ目指して進んでいく、アップアップガールズと言える存在である鍛治島彩について書いていきます。

鍛治島が「アップアップガールス(2)オーディション」を受けたのは、本当に奇跡としか言いようがありません。

アイドル経験者メンバーが多いアプガ(2)ですが、鍛治島はただのアイドルファンで、自らも言及していますが基本なにもできない子だったそうです。

子どもの頃から、母親の影響で音楽が好きで、音楽に接してきた子ども時代の話はこちらのインタビューで詳しく語っています。
音楽教室でも自己流だったため、ピアノは上手くならず、嫌いになり、やめてしまったそうです。

ピアノの代わりのように始めたバスケットボールでしたが、がんばっていたのに8年間補欠だったと言います。

その時のこと、恩師への想いはこちらのインタビューに非常に詳細に書かれております。

“諦めない”ことが唯一の取り柄だったという鍛治島は、バスケの顧問であった恩師の「あなたにできることはきっとあるから。君が活きる道をみつけなさい」という言葉と、祖母が言ってくれていた「自分にできることをなにか見つけてね」という言葉によって、鍛治島は気づいたら「アップアップガールズ(2)オーディション」に応募していたと言います。

“夢を諦められない”という、応募要項にある文言に惹かれたのかも知れません。

そして本当に奇跡的に、鍛治島は2017年2月25日、オーディションに合格し、アプガ(2)のメンバーになりました。

オーディション最終候補者の中では、鍛治島は歌もダンスも上手いほうとは言えませんでした。

ですが、SHOWROOM審査の中で生み出された鼻リコーダーを活かし、最終審査では、ブルゾンちえみのモノマネからの鼻リコーダーで「笑点のテーマ」という謎の特技を披露。さらに「アッパーカット!」のアカペラ披露では、歌えなくなった部分をなぜか鼻リコーダーで吹くという離れ業をやってのけました。

グループでの歌&ダンスのパフォーマンス審査では、前日までまったくできていなかったというダンスを、努力によって克服していました。

アイドルなどを経験していないにも関わらず、アイドル経験者たちの多い最終審査を勝ち残ったのは、やはり“諦めない”という唯一の取り柄が大きかったのではないでしょうか。

アプガ(2)結成直後のこちらのインタビューでは、落ちこぼれだった過去、オーディションを受けようと思ったときのこと、オーディションのこと、ほかの同期メンバーのことを自ら語ってくれています。

とても楽しそうに語る鍛治島を、是非とも観ていただきたいです。
自らを他のメンバーと比べて“雑草感”があって“ジャンルが違う”ということまで、笑顔で語っている姿が印象的です。

アプガ(2)に見事加入することができた鍛治島ですが、結成当初メンバーの中ではやはり雑草、はっきり言わせてもらえれば落ちこぼれだった、と言っても過言ではないでしょう。

同じく1期メンバーの高萩千夏、吉川茉優、中沖凜はアイドル経験者でしたし、橋村理子もバレエ経験者でした。

1stシングル「Sun!×3/二の足Dancing」では、鼻リコーダーパートはあっても歌割りはほとんどなし。

ですがステージでの鍛治島は、他のメンバーに負けず、活き活きとしていました。

これが公式チャンネルで残っている最も古いステージ映像、2017年4月16日「アップアップガールズ(仮) ∞ Lives Change & Evolution」のオープニングアクトです。

誰よりも大きく踊ろう、誰よりも笑顔で踊ろう、“まずはまずは精神”で、懸命にパフォーマンスをしているのが確実に伝わってきます。

この頃のステージでの鍛治島の姿を観て、推し始めたファンは数多くいると思います。ステージを重ねるたびに、着実にファンは増えていきました。
アイドルとしてのテクニックは高くはないですが、鍛治島を見ていると笑顔になる、応援したくなる、鍛治島は最初からそういうアイドルであり、それこそがアイドルなのだと感じさせてくれる存在になっていきます。

2018年8月に開催された「アップアップガールズ(2)&(プロレス)メンバー対抗実力診断テスト」では2017年11月の初単独のソロコーナーのリベンジということでアップアップガールズ(仮)の「サイリウム」を歌い、審査員と観客の投票によって見事優勝。オリジナルソロ曲を作ってもらえる権利を獲得しました。

https://deview.co.jp/News?am_article_id=2117981

この頃には鍛治島は、確実にアプガ(2)の中では人気上位のメンバーになっていました。

落ちこぼれだった存在が、アイドルとして人気を獲得していくそんなサクセスストーリー…ここまでは、まあよくあるお話と言っていいかもしれません。
そんなありきたりな物語だけでは終わらないのが、鍛治島なのです。


その後、2018年年末には1期メンバーの中沖が卒業が決まり、3期メンバーオーディションが発表され、2019年3月のマイナビBRITZ赤坂での単独公演も決まります。

そういう怒濤の展開の中で、SHOWROOMでの毎日配信も始め、またもファンを増やしていった鍛治島ですが、2018年の年末からは行き詰まっていたと言います。

「なにかやらないと終わるな」と思い、ギターを始めたという鍛治島。

“ギターに逃げた”と本人は言っていますが、そのことによって2019年初頭からはSHOWROOMでのギター練習配信もするようになりました。SHOWROOMでのギター配信というサプライズに視聴者は喜び、笑い、徐々に上達していく姿に感動するようになっていきます。それが確実に、現在へと繋がっているのです。

さて、2019年は鍛治島にとっては、ギターの他にもチャレンジが多かった年でした。

YouTubeでメンバーが始めた「にきチャン!」では、弾き語りだけではなく、「鍛治島音楽隊」という鍛治島にしかできないであろうコンテンツも生み出します。

鼻リコーダーのおかげか、バラエティ番組への出演も増え、7月2日「この指と〜まれ!season3」では「バラエティで頑張りたいアイドル選手権」で優勝。副賞としてセーラー服でのショートムービーが作られました。

8月2日の「TOKYO IDOL FESTIVAL」ではリコーダー片手に「アイドルカラオケバトル」の MCを担当。

8月14日深夜、鈴木愛理さんが代役を務めていた「矢口真里の火曜 THE NIGHT」では、岡野陽一さんに“鼻笛女”というあだ名もいただきます。

8月18日ニコニコ生放送での「告知事項あり〜事故物件に泊まろう〜」では、心霊相手に涙目になりながら鼻リコーダーで「情熱大陸」を吹くという奇跡の映像を見せてくれました。

11月20日の「ホンマでっか!?TV」では「足が臭くてブーツ脱げない女子SP」で明石家さんまさんと共演し、足が臭いよりも嘘臭いということで大活躍してしまいました。その後、2020年にはMBSラジオ「MBSヤングタウン土曜日」でもさんまさんとは共演し、かなりの爪痕を残すことになります。

もちろんバラエティだけではなく、本業のアイドルのステージでも鍛治島は奇跡的な爪痕を残しました。

8月25日「@JAM EXPO」のメインステージであるストロベリーステージは、ファンとメンバーたちの力によって「メインステージ争奪LIVE〜超汐留パラダイス!編」で出場権を獲得した、非常に大切なステージでした。

https://girlsnews.tv/unit/341945

そこで鍛治島は、横浜アリーナの真ん中、花道の一番先で、鼻リコーダーをぶちかまします。

横浜アリーナのど真ん中で鼻リコーダーというのは、おそらく人類史上初のことと思います。

「二の足Dancing」サビでの鍛治島の鼻リコーダーは、最初見た人はまず驚き、思わず笑ってしまって、それしか覚えていないというような飛び道具的な存在です。
ですが何度も何度も見て、相対音感で鼻リコーダーを自在に操る鍛治島彩という人間を理解することで、あのサビの鼻リコーダーで感動し、涙するようになっていく奇跡的な鼻リコーダーなのです。


そして2020年になり、2月からツアーも開催されましたが、コロナ禍による自粛期間に入ったために2会場行っただけで中止。鍛治島の凱旋であった柏公演もできないという状況が訪れます。

そんな中でも、鍛治島の勢いは止まりませんでした。

まずはなんと言っても、自らが作曲した楽曲「どのみちハッピー!」が発表されたことが一番の奇跡的な出来事でしょう。

最初は単なる趣味として始めたギターがきっかけで、作曲をして楽曲として自らのグループのシングル曲になる…これは頑張るだけではできない、もの凄いことです。

子どもの頃に学んでいたピアノと、それによって育まれた音感と音楽センス。
母親から受け継いだ音楽好きという部分。
バスケによって培われた、諦めずに進んでいくという精神。

そのすべてが、鍛治島の人生で結実していきます。

さらにはどうしてもファンのみなさんにライブを届けたいということで、鍛治島はひとりで、おうちでのライブを開催します。

5月6日にはまず「鍛治島彩 ミニミニアコースティック生配信 #カジスティックライブ 」と題して、Youtubeで無料生配信。

お試しの無料ライブを経て、5月17日には有料の「鍛治島彩 #カジスティックLIVE vol.1」を開催。

そしてカジスティックライブは、ついにリアルなライブとして、2020年10月10日に実現することとなりました。

一流のバンドメンバーとともに、鍛治島はソロで、ギターと共に自ら作曲した曲、アプガ(2)の曲、そしてギター練習配信をしていた「空も飛べるはず」やファンからのリクエスト曲などを披露し、号泣するファン多数という素晴らしいライブを魅せてくれました。

「鼻リコーダー、ギター、奇跡が積み重なったから、今のライブがある」
鍛治島はMCでこのように語りました。
そしてこのようにも、語ってくれました。

「うまくやるだけじゃ、幸せはつかめないのじゃないか」

落ちこぼれだった存在が到達した、本当に奇跡のようなライブでした。
鍛治島の人生が、奇跡のようにすべて繋がって、結実したライブです。

ですが奇跡はきっと、起きるものではなく、起こすものなのだと思います。

諦めないという唯一の取り柄に、加入当初から言っていた“まずはまずは精神”、人生を変えてくれた存在だというアプガ(仮)姉さんから受け継ぐ上へ上へ精神、常に笑顔で進んでいくその姿…すべてがあるからこそ、鍛治島は奇跡を起こすことができたのではないでしょうか?


この連載は「アップアップガールズ(2)8人の偶然、あるいは必然」というタイトルで連載を始めました。

生まれも育ちも違う、現在の8人のメンバー、高萩千夏、吉川茉優、鍛治島彩、中川千尋、佐々木ほのか、森永新菜、島崎友莉亜、新倉愛海、彼女たちが集まったのは、もちろん偶然です。

1期メンバー3人が残っていることも、2期メンバーとして2人が加入したことも、3期メンバーがこの3人になり、現在はひとつずつ年齢が違う8人になったというのも偶然です。

1期メンバー3人の絶妙な信頼関係。
非常に対照的な2期メンバーの2人。
ある意味似ていて、まったく違う3人の3期メンバー。

8人が現在のアプガ(2)にいるのは偶然ですが、必然だったとしか、奇跡だとしか言いようがありません。

いいえ、この8人だからこそ、この8人が起こした奇跡の結果なのかもしれません。

そんな奇跡的な8人が集まったアプガ(2)を、最も体現しているのが、やはり鍛治島彩という奇跡的な存在なのだと思います。

あまり褒めすぎても、本人が困ってしまうかもしれないので、こんなものも紹介しておきます。
これもまた、とんでもなく奇跡的な映像ですよね。奇跡じゃないとできません!

この先、鍛治島がいったいどんな奇跡を起こしてくれるのか、アプガ(2)がどんな奇跡を起こしてくれるのか、みんなで期待して待つことにしようではありませんか!

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文:岩岡としえ 


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