見出し画像

京都府立植物園がぶっ壊されそうな件

① 北山通りのウバメガシの垣根を切って、植物園敷地に商業施設を作ろうとしている。
② 温室裏、加茂川沿いにあるバックヤードの面積を縮小して、観覧者が出入りできるようにする。
③ 正門側にレストラン・カフェを含む建物を作り、アリーナの動線と一体で、アミューズメント機能を整備する。
④ 中央広場に野外ステージを作り、西洋花壇とともにイベントができるようにする。
⑤ 植物園の東西南北の境界をなくし、人々が自由に行き来できるようにする、等の変更が計画されています。

以下は平成31年に出された京都府立植物園の改革構想。「未来構想」なんてすてきな言葉で飾られていますね。

P.3には課題として「来園者の満足度の向上と新たな来園者層の開拓のために必要なさらなる魅力の向上と来園者の利便性・快適性の向上」とあります。あなたがたにわたしたちの満足度向上なんてお分かりになるのかしら?

京都府立植物園はコケ展で何度か行ったことがあり、充実した植生に東京在住者としては羨ましく思った。東京にも植物園はいくつかあるけれど、結局のところ東京の気候に影響されてしまっている。単純に言うとコケは(ほとんど)生えないのです。

20世紀まではディーゼル規制がなくて「石原都知事唯一の善政」と一部で言われている排気規制により幾分ましになった東京の空気。しかし、時は既に遅く、コケや地衣類などは高度経済成長期からの大気汚染によって軒並みいなくなってしまいました。1972年に調査された東京のコケの資料(Taoda)、1992年の「東京都における樹木着生蘚苔類の分布状況」を見ると「どこの山の中かな?」と思うほど、いろいろな種類がいたのです(上野公園にカラヤスデゴケという今では23区にはほとんどいない種の記録が1992年段階で残っています)。
加えてコンクリート化による地面露出の減少、伴った気温上昇、これは推測ですが千葉をはじめとした周辺地域のゴルフ場開発などで森林がなくなった結果、東京は冬の乾燥・夏の高温によって自然が破壊されたというのがわたしの認識です。

わたしの近所に60平方メートル程度の雑木林があったのですが、2年ほど前に全て伐採されてただの空き地になりました。すると、それまで毎年6月にやってきていたカッコウの声が聞こえなくなってしまったのです。小さいながらもそこを根城にしていたんだなと、いなくなって初めて分かりました。

不思議なんですが、なんで開発したがるんですかね。京都は十分人が来ているじゃないですか。京都に近代的な施設なんて誰も期待してないでしょう、長年続いてきた人と自然の調和を求めて京都に訪れるというのに、なぜその歴史を壊そうとするのか、理解できない。いや、お金のためなのは分かるんですが。
関係ないと思いますけど、京大が厳しくなったこととか、なんか京都が変な方向に変わってるのかなと思います。部外者の意見なんてどうでもいいでしょうけど。

プラスチックのゴミによる自然破壊は許せないのに、目の前にある大きな木を切ってアミューズメント施設を作るのはOK。えらい人の考えることは理解できませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?