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やさしい薫香入門


火の扱いと共に歩んだ人の歴史の上で、たき火に植物や樹木の樹脂を投げ込んで燻すというのは祈りや感謝を自然の神様に捧げるというものでした。

ヨーロッパでは今でも冬に「燻夜」(いぶしや)という 暖炉に薫り高いハーブや樹木の枝を混ぜるという行事があります。

錬金術の過程にもある赤く燃え、白く灰化し、黒く炭になるという永遠の円環(ウロボロスの輪)をそこに見ることもできるでしょう。

庭で育てたハーブをとことん使い最後にお香として燃やし、灰を庭に撒くのもそれだと思います。

■準備するもの

香炉 
陶磁器や金属の耐熱性の小皿かゴブレットやお香やで手に入る香炉もしくは大きくて厚い貝殻も素敵でしょう。

炭 
魔術堂などのオカルトショップ もしくは、サンパウロなどキリスト教用品店に薫香用の炭が購入できます。 もちろん、お香やさんの香道用の炭もよいのですが、平らなので前者で買えるヨーロッパの炭のほうが小皿タイプになっているのでこぼれにくくなっています。

耐熱性の下敷き 
容器は底から高熱になりますし、火をつけると、まわりに小さな火の粉がとぶこともあります。必ず香炉のしたに置きます。

お香用の灰 もしくは 砂 
100均でも購入できます。あると便利です。

羽 
お炭にそっと風をおくるときに使います。

■おすすめのハーブ
香りのでるハーブとして、ローズマリーやラベンダー、私はクロモジという和菓子の楊枝に使われる樹の枝葉が好みです。消費期限のきれたハーブティーもよく使います。

縄文、アイヌの薫香の植物というとよもぎでしょうか。必ずよく乾燥しているものを焚いてください。縄文時代にはイネ科や豆類、エゴマなどのシソ科 、麻などの植物も利用していたそうです。
http://www.tamagawa.ac.jp/sisetu/kyouken/jomon/plants.html

法に準拠し栽培した大麻のお香というのもあります。
http://taimahak.jp/
https://www.hypno358.com/%E3%82%B0%E3%83%83%E3%82%BA%E8%B2%A9%E5%A3%B2/


◼︎手順
まず香炉(小皿など)とキャンドルを用意し、火をつけたキャンドルにピンセットや箸などではさんだ炭をもっていき、着火します。

火花が散ったら、香炉に置きますが、灰や砂をひいておくと熱がやわらぎます。必ず香炉の下にはコースターなどひきましょう。

そしてそっと羽であおいで炭に火をいきわたらせます。

ほんの少量の芳香植物や樹脂を炭の上に置きます。特に樹脂の入ったブレンドは、薬匙一杯くらいにしないとかなり煙がでるので注意です。

お香がすっかり燃えてしまうまで待ってから、炭の上にのこった燃えかすを取り除いてください。

樹脂や、樹脂を含むブレンドを焚いたときは、そのあと新しい砂か、または容器に残っている灰を、残り火の上にのせます。

こうしておくと、高熱になった容器に、粘着力の強い樹脂がくっつくこともありませんし、残り火をしっかり消すこともできます。樹脂は砂にまみれると、まとまって炭からはがしやすくなります。


◼︎アドバイス
ハーブの薫香は香りを楽しみ煙を見ることで、リラックスできる遊びです。香炉という小さなオーブンは、植物の香りを放ち、感謝の気持ちをあらわしてくれます。しかし、焚いている間は、部屋の中が煙でむせ返ることのないよう、適度なところでやめることと、植物の香りも、刺激になることがあるので、アレルギー体質の方はなにかあったらすぐに炭を灰や水で消しましょう。

 薫香中は、窓をあけ換気しましょう。お部屋にほんのり香りをただよわせたいときは、少量焚くだけで十分です。雰囲気を変えるための浄化の薫香を行ったあとは(そのまま強く香らせてもかまいませんが)、窓を全開にして、たちこめた煙を換気します。

 煙をたやさないよう次々にお香をおいて焚き続ける必要はありません。炭はおよそ1~2時間燃えつづけますから、ときどきお香をおくだけで薫香はできます。香りは、煙を換気したあとも部屋の中に残ります。
タブ粉という 線香や三角コーンの基材があるとこれにハーブや香木を10%ほど混ぜて作ることができます。

◼︎ちいさな儀式としての薫
儀式が聖なる力を発揮できるように、非日常な雰囲気を作ります。

-特別な、素敵な空間であること(美しく飾られた特別なスペース)

-姿勢と心構え(心の中を想いや願いで満たし、きちんとあらたまった姿勢ですわるなど)

-響きがみたすことができる美しい音や、音楽

-ゆったりできる静けさ

など準備して 薫香儀式をおこなってみてください。

シサム オ サポ hydegard


参考資料
「ドイツの薫香書 癒しのお香より」

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