ウィザードロッドは禁止されるべきか

ベイブレードXにおいて、現在「最強」とされているブレードパーツ「ウィザードロッド」であるが、そのあまりの採用率から使用禁止にするイベントが出てきたり、予選を1ベイで行わずにいきなり3on3にしたり、といった話を耳にする。
どこがどう強いかについては割愛するが、それほどまでに強いパーツであり、公式的にも使用禁止パーツに指定されるのでは?といった話(要望?)も出たりする。これについては前シリーズであるベイブレードバーストにおいて禁止パーツが出た前例があるからだろう。
さて、このウィザードロッドであるが、これは禁止されるべきかどうかについては、十数年以上TCG(主にMTG)の大会に出続けている筆者の感覚からすると、「今後数カ月に渡って現状の採用率が続けば禁止も止むなし」である。
TCGで禁止にされるカード(デッキ)というのは、即座に決められる場合はかなり稀で、普通は数カ月環境を見守ってから決められる。即座というのはメタゲームが歪みに歪んで圧倒的1強のデッキがある場合や、即死コンボが横行している場合などだ。
なお各種大会等の1ベイにて、ウィザードロッド採用率は5~6割程度であるらしく、これはTCG的には危険信号と言っていいだろう。ただし現時点でもアタック系のベイでウィザードロッドに対抗することは十分に可能で、ドランバスターやフェニックスウイング、ティラノビート等も良く使われている印象がある。
ベイブレードXは毎月何かしらの新規パーツが登場するので、今月に控えているシノビシャドウや、6月以降の新規パーツでウィザードロッド1強環境が終わりを告げるかもしれないし、そうでなくてもアタック系が流行してウィザードロッドが減る…というメタの移り方をするかもしれない。
そもそもウィザードロッドは搭乗して1か月半しか経っておらず、「今」禁止を叫ぶことは時期尚早と言って良いだろう。しかしこのまま現状が変わらなければ「数か月後」禁止になる可能性は有り得ると思われる。その場合は1ベイのみ使用禁止とか、Bビットとの組み合わせ禁止だとか、色々形はあるだろう。
(もちろん禁止するも何もタカラトミーの考え次第ではあるが。)

~余談~
「ロッドばかりでつまらない」「ロッドミラーが退屈」という意見に対して、「つまらない/退屈ならなんでベイやってるの?やめたら?」という声があったりするが、コレ非常に危険。
つまらない/退屈だと思った人はそんなこと言われなくてもそのコンテンツを辞めるし、どうしようか迷っていた人にはトドメの言葉となる。そして人が減ってそのコンテンツは廃れる。その分かり易い例がMTGの親和全盛期であり、遊戯王のカオス全盛期だ。だからこれらのキーカードは悉く禁止された。
本来禁止なんて自社製品に欠陥があったと認めることであり、メーカーとしてはできるだけ出したくないのだが、そうしなければ買い支えてくれる人が減ってしまう。そうならないために禁止は出さざるを得ないのだ。
筆者は別にロッド対面やミラーがつまらなくて退屈だとは思わないが、今後こういった声が大きくなっていくとしたら…そしてその声に公式が耳を貸さないのなら…それはコンテンツの衰退へと繋がっていくだろう。

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