映画「PLATFORM」

面白い映画でした。あらすじはこんな感じ。

ある日、ゴレンは目が覚めると「48」階層にいた。部屋の真ん中に穴があいた階層が遥か下の方にまで伸びる塔のような建物の中、上の階層から順に食事が"プラットフォーム"と呼ばれる巨大な台座に乗って運ばれてくる。上からの残飯だが、ここでの食事はそこから摂るしかないのだ。ゴレンはこの施設から生きて帰ることができるか?

つまり、48階層の人間は47階層の人間の食べ残しを食べるしかない。その下の49階層の人間は48階層の食べ残しを食べるしかない、という施設が舞台になっている。食事は一日に一回、巨大な台座に乗せられて上から下に運ばれる。

みんなが必要な分だけを食べていれば最下層まで食事が行き渡るけど、なかなかそうはいかない。上の人間は下の人間の空腹なんか目もくれず、好きなものを好きなだけ食べてしまう。

冒頭を見ただけでも、格差社会、貧富の差を風刺した作品なんだとわかると思う。僕はちょっと前にFACTFULNESSを読んだから、その内容ともちょっとリンクした。

FACTFULNESSの中で一貫して書かれていることは、「世界は"先進国"と"途上国"に分断されているわけではなくて、もっとグラデーション状になっている」ということ。

プラットフォームの世界もそうだった。階層は何百にも細かく分かれていて、「具体的に第何層からが飢えに苦しんでいるか」ははっきりしていない。

※以下微ネタバレ


途中で、主人公のゴレンが自ら台座に乗って降りていき、食料を均等に行き渡らせようとするシーンがある。ゴレンは、50層までの人間には食事をさせず、51層から下の人間に食糧を配った。

ゴレンがどうして50層で区切ったのかはわからない。恐らく理由はないと思う。ゴレンはなんとなく、「51層から下」を"途上国"と決めつけて援助の対象とした。

じゃあ50層から上はみんな裕福なのか?50層と51層の飢えは大して変わらないのでは?
実際、50層の人間は激しく抵抗したけど、ゴレンは暴力で黙らせていた。

勿論、50層の人間に食糧を与えたら今度は49層の人間が黙ってないわけだから、そうやって誰かが基準を決めないとダメなのもわかる。

ちなみに、FACTFULNESSには世界各国の裕福度を比較できるバブルチャートが載っている。それによると、日本は「プラットフォーム」の世界でいう第6層ぐらいの位置にいる。

第6層の人、第5層の人にうんこふっかけられる嫌がらせ受けてたけど、大丈夫かな。



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