HRTechのサービス運営している会社に一言物申すマン
この記事は労務Advent Calendar 2019の17日目として発信してます。
今回労務アドベントカレンダーに参加させていただくことになりました。企画していただいた高谷さんありがとうございます。noteで記事を書くのは初めてなので不備があればお知らせください。
書くテーマはすごく考えたのですが、表題のようなタイトルについて書くことにしました。(『実戦懲戒処分』というタイトルのボツ案もありましたがいつか世に出したいと思います)
■自己紹介
簡単に自己紹介させていただきます。職歴はローソンに新卒入社しOJT終了後、人事本部に配属され人事管理業務(給与厚生・異動対応・労働安全衛生・制度運用等)を約3年担当していました。2017年6月からレシピ動画サービス「クラシル」dely株式会社に人事として入社し、労務や人事企画を担当し、今にいたります。専門は労務です。
詳細は今回の労務Advent Calendar 2019を企画された高谷さんにインタビューしていただいたこちらの記事をご覧ください。
■今回のテーマHRTech/SaaSツールについて
私はSaaSツールがとにかく好きです。紙文化って本当に非効率ですよね。delyは投資(効率化)によって解消される無駄をしっかり説明できれば積極的にSaaSツールの導入を認めてくれる会社です。現在はほぼクラウド管理に移行していて紙管理も少なくとてもモダンな形の社内システムにできています。人事系で導入しているツールは以下の通り。
<delyの労務で使っているツールの機能一覧>
・社会保険手続き(一部)
・給与明細
・勤怠管理(シフト、打刻、休暇)
・従業員サーベイ
・人事評価システム
・採用管理
・給与計算
・電子契約
■SaaSツールの積極導入の背景
私がdelyに入社した時点で勤怠は紙管理、給与計算はインストール型のパッケージ型のソフトを使っていました。人数はアルバイトも含め100人程度の中、月末締め翌月10日払いのタイトな給与計算サイクルでした。紙勤怠だったこともあり物理回収から確認した後に給与計算ソフトに手入力、さらに作業者は私一人だったためヒューマンエラーが起きる可能性も高い状態でした。このころは勤怠の回収・確認に2営業日、給与計算に2営業日、紙明細の配布に0.5日かかっていました。また会社は急成長中で入社対応の予定が月の半分の日数を締めることもありました。その点においても入社書類や契約書の回収など紙の管理が多い状態でした。
会社は成長し続けていたので、社員数も増え人事の担当者も複数化することが想定されたのですが、当時の紙を中心としたやり方ではスケールしないと考えていました。そこでクラウド管理、電子管理に移行することにしました。社内決裁は前述した通りで、紙はなるべく無くそうとトップからも言ってもらえていたのでスピーディに導入ができました。
■自社の現在の管理状況
<入社時>
・入社前に労務管理ツールで従業員情報を集め勤怠管理等マスター登録
・入社時に契約についての説明30分&源泉徴収票等の紙書類の回収
・電子契約書類で契約
<月中>
・ICカード打刻で勤怠管理
・本人申請ベースでマスター変更
<給与計算>
・勤怠確認1.5日
・給与計算0.5日
・計算後電子明細配布(5分)
このような形で紙管理はほぼ発生していません。入社対応で作業時間も含め1名あたり社保ありだと1.5時間、社保なしだと1時間程度で管理できています。給与計算も4.5営業日かかっていた所、社員数が増えている中2営業日で完了しています。また、現在は兼任の労務が2人と派遣スタッフ1名の3名体制(兼任のため実質人員約1.5名)でやっていますが情報連携もスムーズにできています。かなり効率化できているのではないでしょうか。労務業務をここまで効率化させてくれたSaaSサービスにとても感謝しています。
■じつはここからが本題です
このようにSaaSサービスを積極的に使っていることから、導入事例のインタビューを受けさせていただいたり、ベータ版のプロダクトのレビューやツールの利用シーンなどのヒアリングを依頼されることも最近増えてきました。
インタビューに回答をしたり、delyで使っているツールの会社さんに機能追加・改善要望をする際に大体の共通点みたいなものがあるなと感じており一度まとめてみようと思い今回のテーマにすることにしました。
批判のような表現になっている所もあるかもしれませんが、SaaSツールにこうなってもらえたらさらに便利になるなという思いで書いていますのでご容赦ください。
■HRTechのサービス運営している会社に一言物申すマン
キャッチーなタイトルにしたいなーとこんなタイトルにしましたが、いつもありがとうございますという気持ちで書いていますので誤解なきようおねがいします。あと全然一言じゃないです。
①従業員画面のUI/UXは直感的にシンプルに
これはSaaSに限らず全てのサービスに言えることですね。ただし人事系SaaSツールが一般的なC向けサービスと違うことは決裁者とエンドユーザーが異なってくるということです。SaaSツールの決裁者は基本的にツールの管理者になります。そうなると起きがちなこととしては管理画面の作り込みが優先的に行われるということですね。決裁者である管理者が管理画面を使いやすいと思ってくれると契約が継続しやすくなります。
ですが、従業員側が直感的で使いやすいデザインになっているかどうかも管理画面の使いやすさと同じくらい重要です。社員は必要な申請が発生したときに初めてツールを使い、必要最低限のやり方しか憶えません。そこで使い方が分かりにくいと必ず管理部門に問い合わせが来ます。この問い合わせ対応は明確なコストとして表出しにくいのですが、問い合わせが多くなるツールを導入すると、特に導入当初は問い合わせ対応をしているだけで1日が終わったなんてことも発生します。例えば勤怠のツールで行くと休日出勤申請や半休の申請なんかが分かりにくかったりすると特に問い合わせが多くなります。(そもそも法律でも休日出勤のルールって分かりにくいですよね。。)
逆に導入当初から問い合わせが少ないツールは優秀だなと感じます。
②ヘルプページ作りこんでほしい
また問い合わせが来たとしてもヘルプページがしっかりしていると、ヘルプに誘導して解決できることも多いのですが、ヘルプページやマニュアルが分かりにくいと社内展開用にマニュアルをまとめ直すなんてこともあったりします。すごくナンセンスな作業だなと思いながらまとめたりしています。
ヘルプページではなく、ライブチャットのサポートで解消してくれる会社もありますが、大体のことはヘルプページがしっかりしていて検索性が高ければ、見ればなんとかなります。運営会社さんの方も何度も同じ問い合わせに答える手間が省けてコストカットになるかと思います。ライブチャットは回答を早くもらえるので大変便利なんですが、気持ち的になんか画面に張り付いていないといけなくなってしまうので、よっぽどじゃないと使っていません。ちなみにヘルプページを読み込んでも答えが分からず、さらにメール問い合わせや、入力項目の多い問い合わせフォームに誘導されたりすると悲しい気持ちになります。
③機能追加で管理画面ぐちゃぐちゃ
今度は管理画面について思うことです。管理画面を使っているとどこにこの機能の入り口があるんだと迷う機会がたまにあります。
このような現象がおきてしまうのはおそらく、後から機能追加を何回もした結果、新しい機能と以前からある機能の入り口のボタンが全然違う所に作ってしまったという原因かと想定されます。機能追加の要望に対してスピーディーに対応していただくことはとても嬉しいのですが、継ぎ足しをたくさんしていると一年後にはダッシュボードがぐちゃぐちゃになっているなんてことはよく起きます。既存の機能と機能一覧の中でカテゴライズをしっかりすると変な所にボタンができないのではないかなと思います。入り口わからない問題が発生しているツールを使っていると、例えば担当者が増えた際に引き継ぎをするときにとても時間がかかります。これは①と同じことなのかもしれませんがどうにかならないかなーと思いながら使うこともあります。逆に管理画面の機能整理されていて、機能追加も想定したデザインになっていると安心感が生まれます。
■イケてると思うサービスのまとめ
・従業員が直感的に利用でき管理部門に問い合わせが来ない
・管理者側のヘルプページがしっかりできている
・管理画面の機能がカテゴリ別にしっかり整理されていてわかりやすい
書いてみて思いましたが当たり前のことしか言ってないですね。
ただここで注目して欲しいのは機能について言及していない点です。まだ発展途上の業界なので現時点で機能がどれだけ優れているかはそこまで気にしていません。機能追加は時間が経てば勝手に追加されると思っています。
ただUI/UXが初期の段階からイマイチなサービスは機能追加されればされるほど使い込みが必要になったり問い合わせが増えたりすることが想定されるので、導入したくないなと感じてしまいます。機能追加の要望がたくさんある中、管理画面のデザイン変更の優先度上がりにくいですよね。
■さいごに
言いたい放題言わせていただきましたが、愛ゆえにということをご理解いただけると幸いです。今後のHRtech業界がさらに発展するのを楽しみにしています。あとは最近他社同士でapi連携しながら機能を補完しあうサービスも増えてきましたが、同時に従業員のログイン先もどんどん増えてしまいますので、いつか一つのサービスで全て網羅してくれるものが出てこないかなと妄想しながら、この記事を締めさせていただきます。
また、営業代行みたいになってしまってもあれだなと思ったので実際に使っているツールの名前を出すことは控えさせていただきましたが、これから導入を考えている人事担当の方など、よりリアルな話が聞いてみたいということがあればご連絡ください。
あとはベータ版とかも触るの大好きなので触ってみて欲しいというサービス開発の方がいらっしゃったらご連絡いただけると幸いです。また今回の内容を見てdelyに興味を持っていただいた方がいましたらコーポレート部門社員も募集中なのでお気軽にご連絡ください。
以上、ありがとうございました。
*直近情シスも担当しているためのtwitterアカウント名を「時々人事」としていますが本業は人事です
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